2010 Fiscal Year Annual Research Report
富栄養湖堆積物の二酸化炭素吸収能力:中海・宍道湖の過去約四百年間の復元
Project/Area Number |
22540470
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
三瓶 良和 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00226086)
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Keywords | 汽水域 / 富栄養湖 / 有機物濃度 / 有機炭素埋積速度 / 二酸化炭素 / サプロペル / カーボンシンク / 中海 |
Research Abstract |
今年度は、中海中央部でのコア採取に先立ち、中海南東部~米子湾において15cmのショートコアを採取し、新たに購入した佐竹式コアーサンプラーNo5178の使用習熟を行った。採取したコアについて予察的に分析を行ったところ、全有機炭素濃度(TOC濃度)は、約3%を示した。併せて、表層1cm泥質試料を中海南東部~米子湾において広く採取したところ、中海南東部~米子湾においてに窪地が存在するために表層TOC濃度は不規則であり、約1%~約4%まで幅広い濃度分布を示すことが明らかとなった。 備品として購入したラマン分光器を立ち上げ、中海表層堆積物有機物(ケロジェン)の特徴を検討したところ、約1350カイザー(cm^<-1>)および約1600cm^<-1>に大きなピークを有することが分かった。両者のピーク高の比は変化し、起源有機物の違いを反映するものと推察された。 二酸化炭素濃度計を3台購入して、中海への設置に先立ち、精度と確度の比較をおこなった。松江市内での大気二酸化炭素濃度を測定した結果、バックグラウンド値は約390ppmであることが分かった。しかし、人が50cm以内に近づくとすぐに450ppm程度まで上昇したため、無人測定中の人の影響の判断または設置場所は検討を要する。なお、当初設置場所は湖心観測所を予定していたが、データロム交換と雨風等への対応が困難であることがわかり、中海湖心東部の江島に変更することが妥当と判断した。
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