2012 Fiscal Year Annual Research Report
分子制御と画像観測を利用した分子クラスターの反応動力学の研究
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22550004
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山北 佳宏 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (30272008)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高性能レーザー / ナノ材料 / 分子線 / 分子制御 / 原子・分子物理 |
Research Abstract |
1.多重反射質量選別光解離実験:質量分析計(MS)は気相分子クラスターの構造や反応動力学の研究に使われている。本研究では飛行時間型質量分析計に位置敏感検出器を組み合わせ、質量選別した親イオンについて、パルスレーザー光解離による解離イオンを画像観測する研究を行った。この実験から、質量選別したMrAr+およびMg+(ICH3)クラスターイオンについて光解離反応の動力学を研究することができた。MrAr+については基底状態における結合エネルギーD0”を決定することができ、Mg+(ICH3)については親イオンの構造に依存した光解離パターンを実測することができた。 本年度はさらに高分解能な画像観測を行うためにイオンを2度反射する飛行時間型質量分析画像観測計を考案した。つまり、最初のイオン反射では、親イオンの空間速度分布を整形して光解離点での並進速度を選択できるようにし、2度目のイオン反射では、解離イオンの空間的広がりが画像に畳み込まれないようイオンレンズ効果(velocity map imaging)を利用するようにした。このようなイオン反射を行う装置について理論計算を行うことができた。 2.気相分子線源の開発:金属や炭素化合物のロッドにレーザーを集光して蒸発させる装置を開発し、アルミニウムイオンや銅イオンがが質量分析できることを確認した。この装置では、パルス分子線を同期させて導入できるように整備し、一酸化窒素(NO)などの分子が吸着したクラスターの生成ができるようにした。さらに、ディスク状に成型した試料でもレーザー蒸発できるような新しい回転導入機を設計し、ナノカーボンや生体分子に関する実験ができるようにした。 3.量子化学計算:セレノアニソール誘導体の分子内回転の安定性が、n-π相互作用で決まることを見出した。この結果はレーザー分光や光解離実験を行うための基礎になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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