2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子多体系における量子移動過程の理論とシミュレーション
Project/Area Number |
22550012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安藤 耕司 京都大学, 理学研究科, 准教授 (90281641)
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Keywords | 電子移動 / プロトン移動 / 量子動力学 / 電子状態 / 分子シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、溶液、固体、生体分子などの凝縮系/分子多体系における電子移動、励起移動、系間交差、プロトン移動、およびそれらが協同的に起こる過程について、量子効果を適切に取り入れながら、現実的な系に適用可能であるような有効な近似シミュレーション手法を開発し、応用研究を推進することにある。特に、本申請者が近年開発している三つの新手法、量子古典混合リウヴィル動力学法、準量子的時間依存ハートリー法、準量子的原子価結合波束法を基盤として、近似精度向上のための基礎理論の整備、応用範囲の拡大を目指した大規模計算手法の改良・実装を遂行する。平成22年度には、電子移動蛋白質の酸化還元反応中心の構造揺らぎと電子移動再配置との相関について新知見を見出した他、水中の酸電離における溶媒ダイナミクスとの結合、長距離電子移動経路解析における多配置電子相関の効果について、一定の成果を得て原著論文発表に至った。他にもプロトン移動性分子結晶における協同的誘電相転移に関する研究にも一定の進展があり、現在論文投稿準備中である。
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Research Products
(16 results)