2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子多体系における量子移動過程の理論とシミュレーション
Project/Area Number |
22550012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安藤 耕司 京都大学, 理学研究科, 准教授 (90281641)
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Keywords | 電子移動 / プロトン移動 / 量子動力学 / 電子状態 / 分子シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、溶液、固体、生体分子などの凝縮系/分子多体系における電子移動、励起移動、系間交差、プロトン移動、およびそれらが協同的に起こる過程について、量子効果を適切に取り入れながら、現実的な系に適用可能であるような有効な近似シミュレーション手法を開発し、応用研究を推進することにある。特に、本申請者が近年開発している三つの新手法、量子古典混合リウヴィル動力学法、準量子的時間依存ハートリー法、準量子的原子価結合波束法を基盤として、近似精度向上のための基礎理論の整備、応用範囲の拡大を目指した太規模計算手法の改良・実装を遂行する。平成23年度には、プロトン移動性分子結晶における協同的誘電相転移に関する研究、フラグメント分子軌道法を用いた長距離電子移動経路解析手法の開発、凝縮系における振動緩和とスペクトルの基礎理論、電子波束を原子価結合法に適用した新しい化学結合理論について、一定の成果を得て原著論文発表に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロトン移動性分子結晶における協同的誘電相転移に関する研究、フラグメント分子軌道法を用いた長距離電子移動経路解析手法の開発、凝縮系における振動緩和とスペクトルの基礎理論、電子波束を原子価結合法に適用した新しい化学結合理論について、一定の成果を得て原著論文発表に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、電子波束を原子価結合法に適用した新しい化学結合理論について、計算効率の向上と適用範囲の拡大を目指した研究を推し進める予定である。また、長距離電子移動経路解析についても確率力学を用いた新しい理論手法の開発を目指す。
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Research Products
(18 results)