2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
瀧上 隆智 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40271100)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 表面凝固 / 分子混和性 / 表面張力 / X線反射率 / 二分子膜 |
Research Abstract |
本研究では、表面凝固(SF)層形成に伴い出現が期待されるドメイン構造に着目し、その形成原理・安定性を決める因子を解明することを目的としている。今年度は、アルコール混合系である1-ドデカノール(C12OH)-6-ヘキシルヘキサノール(F6H6OH)混合系の表面張力測定による巨視的観点とX線反射率(XR)測定による微視的観点から、SF層形成および表面における分子混和性の検討を行った。混合物液体/空気表面張力を、液滴画像のラプラス式を用いたフィッティングにより決定する懸滴法により、またXR測定は大気圧下、温度と混合液体中のC12OHの組成の関数として測定を行った。得られた結果の解析から界面科学的に重要な以下の知見を得た。 (1)表面形成のエンロトピーは表面液体(SL)層-SF層転移に伴い正の値から大きな負の値へと不連続に変化し、SF層における分子の規則的な配向・配列が示唆された。また、電子密度プロファイルより、SF層においてアルコール分子はヒドロキシ基間の水素結合によって安定化された二分子膜を形成することが判明した。 (2)表面の組成の見積もりから、SL層、SF層共に表面張力の低いF6H6OHに富み、SL-SF転移に伴いF6H6OHの割合は減少した。 (3)表面剰余エントロピーは負の値をとり、表面においてF6H6OHのドメイン形成が強く示唆された。 (4)さらに、混合系SF層のXR測定から得られる電子密度プロファイルより、F6H6OH分子は二分子膜上層に優先的に存在し、下層はほぼC12OHからなるような不均一構造であることも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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