2012 Fiscal Year Annual Research Report
スルファンニトリル配位子を鍵とする新奇発光性遷移金属錯体の創製と新機能開拓
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22550045
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤井 孝宜 日本大学, 生産工学部, 教授 (00283060)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機化学 / 有機元素化学 / 錯体化学 / 光発光 / 硫黄-窒素化学 |
Research Abstract |
平成24年度は,前年度で得られた研究成果をもとにndsdsd配位子を用いて,i)有機染料として用いられている大きな共役系をもつジイミンやフェニルピリジン系配位子との混合配位型Pt(II)錯体を合成し,その発光特性を前年度に引き続き調査した。また,ii)フッ素センサーの創製を目的として,強いルイス酸性を有するトリアリールボランユニットをもつ配位子とndsaやndsdsdからなる混合配位子型Pt(II)又はIr(III)錯体を合成し,スルファンニトリル配位子の有効性に関する調査を行った。 i)に関しては,[Pt(N∧N)(ndsdsd)]X2や[Pt(C∧N)(ndsdsd)]Xの発光特性を調べたところ,全ての錯体が77 Kのガラス状態で発光することを見出した。また,ndsdsd配位子の効果を調べるため,[Pt(phen)(ndsdsd)](PF6)2とS-N三重結合を有するがスルファンニトリル配位子とPt(II)との錯形成時に非環状になる[Pt(phen)(tps)](PF6)2との発光挙動を調べたところ,前者は,室温溶液中において発光が観測されたが,後者は観測されなかったことから,ndsdsdの錯形成時に見られる8員環状構造も発光挙動に重要な役割を果たすことが明らかとなった。さらに,[Pt(phen)(ndsdsd)]X2と[Pt(phen)(bathophen)](PF6)2においては,固体状態で強い発光(量子収率:0.11―0.27)を示した。これは,[Pt(phen)(ndsdsd)](PF6)2の単結晶X線構造解析の結果から,分子間の水素結合が重要であることが分かった。ii)については,ホウ素を導入した目的の錯体を得ることが出来なかったが,その前駆体である[Pt(bpq)(ndsdsd)]hfacや[Ir(C∧N)(ndsa)]錯体で比較的強い発光が観測された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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