2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタル化ペプチドによる金属集積制御と多元素協働機能触媒の創出
Project/Area Number |
22550099
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高谷 光 京都大学, 化学研究所, 准教授 (50304035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清家 弘史 京都大学, 化学研究所, 研究員 (20523161)
磯崎 勝弘 京都大学, 化学研究所, 研究員 (30455274)
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Keywords | 超分子化学 / 自己組織化 / アミノ酸 / ペプチド / 酸化反応 / 超分子ゲル / 循環型炭素資源 |
Research Abstract |
本研究は触媒金属を自在に集積化する基礎的手法の開発と,それらの協働効果に基づいた高次機能触媒系の開拓を行う.金属集積型分子を利用した触媒では多点相互作用や触媒作用の連携から生み出される協働的触媒作用の発現が期待され,反応の加速,基質・立体選択性の向上,不活性基質の活性化,多成分連結反応等の従来型の分子触媒では不可能な高度な分子変換が可能となると考えられる.提案課題では申請者らが開発した金属集積型ペプチド(メタル化ペプチド)をプラットフォームとした触媒金属の集積制御と協働作用に基づく触媒反応の開発を目的とした研究を行った. 申請者らは本年度の研究において平成22年度の実施研究によってルテニウムおよび白金触媒結合型アミノ酸の高効率合成とそれらを用いるメタル化ペプチドの合成方法に成功し,SPring-8における微小結晶X線構造解析によって,これらの分子構造を明らかにすることに成功した.また,これらが可視光領域において強い吸光および発光特性を示し,光励起による効率的な電子の授受が可能であることを見出した.さらに,ルテニウム結合型メタル化アミノ酸およびペプチドは過酸化水素および分子状水素の存在下において高い酸活性を示すことを見出し,これらを用いる事によってアルコール類の酸化によるアルデヒドおよびカルボン酸類の合成に成功した.また,その過程において循環型炭素資源として注目されているリグニン類の基本構成単位である,リグニンダイマーの酸化分解による芳香族生産反応の開発に成功し,バイオマスの精密酸化反応による有用芳香族の触媒的生産プロセスに先鞭をつけた.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Iron-Catalyzed Suzuki-Miyaura Coupling of Alky1 Halides.2010
Author(s)
Hatakeyama, T.; Hashimoto, T.; Kondo, Y.; Fujiwara, Y., Seike, H.; Takaya, H.; Tamada, Y.; Ono, T.; Nakamura, M
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Journal Title
J.Am.Chem.Soc.
Volume: 132
Pages: 10674-10676
Peer Reviewed
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