2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550195
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古賀 毅 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80303866)
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Keywords | 会合高分子 / レオロジー / 組み替え網目理論 / 分子動力学シミュレーション / 法線応力効果 / ナノ粒子 / クレイナノコンポジットゲル / 弾性 |
Research Abstract |
平成21年度は,次の3つの研究を行った. (1) 本研究の基礎となる「組み替え網目理論」を発展させることを目的として,会合高分子溶液の法線応力効果に関する理論解析を行った.この結果,第1法線応力差係数のシックニングと第2法線応力差係数の符号反転が,粘性率のシア・シックニングと同様の分子機構で起こることを見出した.第1法線応力差係数に関する理論と実験の比較を行い,両者が定量的に一致することを示した.本研究により,組み替え網目理論が高い計算精度が要求される法線応力効果の理論研究にも有効であることが示された. (2) 球状ナノ粒子分散系の会合性高分子添加によるレオロジー制御 分子動力学法をナノ粒子が分散した高分子系に適用し,ナノ粒子と高分子鎖の比率を変えて,ゾル・ゲル転移を計算し,ゲル形成に最適の比率があることを見出した.また,高分子の剛直性がゾル・ゲル転移,レオロジー挙動に及ぼす影響を研究した.高分子の剛直性が大きくなると,ゼロ剪断粘度が増加し,シア・シックニング現象が顕著になることを見出し,その分子機構を解明した. (3) クレイナノコンポジットゲルの弾性的性質の予備的計算 ビーズを円盤状に配置してクレイ粒子を構成し,クレイを表現するビーズと高分子のセグメント間で水素結合をするように相互作用ポテンシャルを設定して,分子動力学シミュレーションを行った.クレイ濃度,高分子濃度,水素結合強度を変えてゲルの構造解析を行い,クレイ表面への高分子の吸着形態とゲルの構造の関係を解析した.また,一軸変形下での力学応答の予備的計算を行った.この系に関しては,今後詳細な計算,解析を継続して行う予定である.
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Research Products
(4 results)