2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550195
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古賀 毅 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80303866)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ナノコンポジットゲル / シミュレーション / クレイ / 高分子 / 会合 / 分子機構 / 高伸長性 / 高強度 |
Research Abstract |
平成24年度は,クレイナノコンポジットゲルの弾性的性質に関する以下の研究を行った.前年度までに開発した分子シミュレーションプログラムを用い,クレイナノコンポジットゲルの弾性的性質の計算を,精密化した相互作用ポテンシャル関数を用いて行った.シミュレーションでは,クレイ濃度と高分子濃度を系統的に変えながら,等方膨潤や一軸伸長などの様々な変形下で,ネットワークの弾性的性質,ゲルの構造,クレイ表面への高分子の吸着形態などを詳しく解析した.特に,クレイ粒子への高分子の吸着形態と変形下での応力との関係に注目して,詳細に解析した.一軸伸長下での力学応答の計算と構造変化の解析を行った結果,以下のことが分かった.(1)伸長により,クレイ面の法線が伸長方向と垂直になる方向へのクレイの配向が起こる.この結果は,中性子散乱による実験結果と一致している.(2)クレイと高分子の会合の解離頻度は伸長度が3から4付近まで増加し,その後一定になる.(3)解離した会合のほとんどは伸長の間に応力があまり大きくならない配置で再結合する.この結果,クレイと高分子の総会合数は伸長前後でほとんど変化しない. 本研究の結果得られた,クレイナノコンポジットゲルの示す高強度,高伸長性という特徴的な物性の発現機構は,以下の通りである.クレイナノコンポジットゲルの高伸長性は,応力が集中した領域で高分子とクレイ間の会合が解離すること((2)のプロセス)により発現していると考えられる.しかし,この効果だけでは架橋が少なくなり,ネットワーク自体は弱くなってしまう.(3)の再結合のプロセスにより,ネットワーク全体の安定性が保たれることによりゲルの強度が維持され,高強度が高伸長性と同時に実現されるというクレイナノコンポジットゲル特有の性質が発現する.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)