2012 Fiscal Year Annual Research Report
ErYSiOシリケート結晶の発光過程におけるErイオン間エネルギー移動の評価
Project/Area Number |
22560003
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
木村 忠正 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (50017365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一色 秀夫 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (60260212)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シリコンフォトニクス / エルビウムシリケート / 発光素子 / 光増幅器 / エネルギーマイグレーション / クエンチングメカニズム / 拡散律速モデル |
Research Abstract |
Er2SiO5結晶はEr-Er間距離が0.4nmと近いため、エネルギーマイグレーションによる発光のクエンチングを生じる。この問題の解明のため、ErxY2-xSiO5 結晶の作製によりEr濃度(Er-Er間距離)を制御し、エネルギーマイグレーションの定量的評価、抑制、クエンチングメカニズム及びサイトの同定を行った。 結晶の作製にはゾルゲル、PLD法を用い、Er濃度を1.6E22/cm3から~8E20/cm3(Er-Er間距離~1nm)まで変化させ、Er-4f内殻遷移1.529μm発光の強度と蛍光寿命を観測した。Er濃度を下げると発光強度が増加すると同時に蛍光寿命も長くなる実験結果からマイグレーションによる発光のクエンチングが存在する。励起Erイオンのエネルギーがマイグレーションにより拡散し、結晶粒界でクエンチングすると考え、拡散律速モデルを構築した。このモデルは蛍光寿命のEr濃度依存性の実験結果を再現でき、マイグレーション係数、臨界距離を得るとともに、結晶粒界がクエンチングの主要なセンターであるという重要な結果を得た。 ゾルゲル試料とPLD試料とでは、同じEr濃度に対しPLD試料の蛍光寿命(発光強度もほぼ比例)がおよそ1桁大きい。その理由は、PLD試料の粒径が100nmに対しゾルゲル試料では30nmと粒径の差によるクエンチングの違いである。PLD試料でEr濃度が1.6E22/cm3の蛍光寿命は~100μs、Er濃度が1/10の1.6E21/cm3で蛍光寿命は2ms程度となる。これは粒界でのクエンチングがほぼ無視できる値である。これから高濃度Erを含むErxY2-xSiO5においても、粒径>100nmであればエネルギーマイグレーションはクエンチング主要因とはならず高強度のEr発光が得られると予想され、100μm長程度の増幅領域を持つ小型の光源または光増幅器として期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)