2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560011
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
三浦 康弘 桐蔭横浜大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20261159)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 分子超薄膜 / 広域的超伝導 / 原子間力顕微鏡法 / フーリエ変換赤外分光法 / 多結晶質 / フォトリソグラフィー / 電気抵抗 / Langmuir-Blodgett(LB)膜 |
Research Abstract |
研究代表者は、平成22年度には、2C14-Au(dmit)2塩に基づくLB膜の成膜条件を改良し、室温で140 S/cmという高い電気伝導度を得ることに成功している。平成23年度には、Intrinsicな電気伝導特性を得るため、ドメインサイズに近い5~20ミクロンの電極ギャップを用いて抵抗測定を行い、広い温度域(180 K ~ 290 K)に金属的な温度依存性を見出した(常圧下)。平成24年度には、これらの成果を元に、圧縮率の異なる種々の基板(ガラス、石英、シリコンウェーハ、PETフィルム)上に電極を形成し、この上に2C14-Au(dmit)2塩の膜を累積し、圧力媒体(フロリナート FC-70)に浸漬し、電気抵抗の圧力依存性を評価した。 基板の種類に関わらず、LB膜の抵抗は加圧により減少する傾向にあるが、その挙動は基板の種類によって異なる。ガラス板(LB膜との圧縮率の差:大)上のLB膜の電気抵抗は、加圧と共に徐々に減少するが、0.8-1.0 GPaの範囲で急に増加し、その後、減少に転じる。しかしながら、その後、減圧すると、抵抗は滑らかに上昇する。加圧時に非可逆な変化が起こると考えられ、ガラスとLB膜の圧縮率の差により生じたクラック等が推定される。一方、PETフィルム(LB膜との圧縮率の差:小)上に移行した膜の電気抵抗も加圧とともに減少するが、ガラス板上の膜の場合に見られるような異常な挙動は見られない。 LB膜に圧縮率が近い高分子フィルムを用いると良い結果が得られることを明らかとしたことは成果であるが、圧力印加による金属的導電特性の温度域の拡張や圧力誘起超伝導転移は見出されていない。これまでのところ、フロリナートを圧力媒体に用いた場合の抵抗値の温度依存性しか得られていないため、より静水圧性の高い圧力媒体(例、Daphne Oil 7373)を用いた評価を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)