2012 Fiscal Year Annual Research Report
耐熱ガスバリア膜を用いたガスケット材料の熱酸化特性の向上
Project/Area Number |
22560083
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
米倉 大介 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (70314846)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ガスバリア / 熱酸化劣化 / ガスケット / スパッタリング / 薄膜 |
Research Abstract |
平成24年度はガスケット用ゴムシートを構成する素材のうち,最も熱酸化劣化の影響を受けると考えられるゴム部について,ガスバリア膜の被覆による熱酸化劣化抑制効果の検討を行った.検討に際してはNBRゴムを使用し,平成23年度までに得られた知見をもとにガスバリア膜の被覆を行い,これを大気中で加熱処理した.その後,機械的特性の変化,破断面観察およびFT-IRによる加熱前後の化学結合状態の変化を解析し,熱酸化劣化の抑制に及ぼすガスバリア膜の影響について検討を行った. ガスバリア膜をNBRゴム上に被覆し,大気中160-180℃,8-24時間の条件で加熱後,引張試験を行った.その結果,170℃以下において,ガスバリア膜の被覆によりNBRゴムの硬化を抑制できることがわかった.また,詳細な破断面観察を行ったところ,加熱によって硬化・脆化した深さはガスバリア膜の被覆によって浅いことがわかった.このことからもゴム部の熱酸化劣化の進行がガスバリア膜の被覆によって抑制されることがわかった. また,加熱前後の試験片表面のFT-IRスペクトルの比較を行った.その結果,裸材では加熱後にC-C結合やC=C結合を示すピークが明らかに減少し,熱酸化劣化の進行を示していた.これに対して,被覆材では加熱前後のスペクトルの変化が小さく,熱酸化劣化の進行が抑えられていることがわかった. 以上の結果から,ガスバリア膜を適切な条件で被覆することにより,ガスケット用ゴムシートを構成する材料のうち,ゴムと酸素分子との接触を十分に抑制でき,ガスケット用ゴムシートの熱酸化劣化を効果的に抑制できることが明らかになった.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)