2012 Fiscal Year Annual Research Report
成膜後レーザ焼入れ処理によるセラミックス被覆鋼の高機能化に関する研究
Project/Area Number |
22560087
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
田邉 裕貴 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (00275174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 圭二 滋賀県立大学, 工学部, 助教 (80405232)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 長寿命化 / トライボロジー / 表面改質 |
Research Abstract |
本研究課題では,これまで成膜後基材焼入れ処理において実施してきた電気炉による「炉焼入れ」の替わりに「レーザ焼入れ」を採用した「成膜後レーザ焼入れ処理」を提案し,セラミックス被覆鋼のさらなる高機能化を実現することを目的とした.本目的を達成するために,平成24年度は,高機能で,寸法精度の高いセラミックス被覆鋼を作製するためのレーザ焼入れ条件について引き続き検討するとともに,成膜後レーザ焼入れ処理の応用によるマイクロエッジの高機能化を目指した. 昨年までと同様,薄膜にはTiAlN,CrN,CrAlNの3種類を用いたが,これまでに優れたレーザ焼入れ性と機械的特性が確認されたCrAlNを中心に検討を行った.基材にはこれまでの炭素工具鋼に加え,炭素鋼やクロムモリブデン鋼も使用した.レーザ焼入れには,高出力半導体レーザ加工機を使用した.それぞれのセラミックス被覆鋼に対して種々の条件でレーザ焼入れ処理を実施し,薄膜の割れやはく離の有無,残留ひずみ量,基材硬さ,膜硬さ,薄膜の密着強度,破壊強度,耐摩耗性などを調べた.いずれの基材と薄膜の組合せでも,薄膜の割れやはく離を生じることなく,基材の焼入れ,密着強度の向上が可能であった.電気炉による処理では,膜の硬さと破壊強度の大幅な低下が生じたが,成膜後レーザ焼入れ処理では,処理前とほぼ同程度の値を得ることができた.レーザ出力に対する残留ひずみ量の変化は,基材が同じ場合,薄膜の種類に依存して変化したが,薄膜の吸収率を考慮した入熱量で整理すれば,薄膜の種類に依存しないことがわかった.薄膜の耐摩耗性に及ぼす影響を調べた結果,耐摩耗性の改善効果を確認することができた.成膜後レーザ焼入れ処理を応用したマイクロエッジの試作を行った結果,実用化にはさらなる研究が必要であるものの,刃先硬さと刃元じん性を兼ね備えた高機能なマイクロエッジを実現できた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)