2011 Fiscal Year Annual Research Report
せん断型微小疲労き裂進展抵抗に基づく軸受材料評価と強度設計法の提案
Project/Area Number |
22560092
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
遠藤 正浩 福岡大学, 工学部, 教授 (30168835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 久生 福岡大学, 工学部, 准教授 (80346816)
柳瀬 圭児 福岡大学, 工学部, 助教 (20580187)
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Keywords | 疲労 / せん断型疲労き裂 / 進展下限界 / 軸受鋼 / 材料組織 / 真空 |
Research Abstract |
本研究では,転がり疲労強度設計を根本から見直すことを目的に,「フレーキング損傷問題=微小疲労き裂進展問題」という基本に立ち返り,代表寸法0.01~1mmの微小な寸法のせん断型疲労き裂の進展特性を解明する研究を行った.平成23年度の研究内容,意義,重要性を次にまとめる.(1)これまで使用してきた電気油圧サーボ式軸ねじり試験機と比較して,高試験速度,省エネ・省スペース,メンテナンスフリーなど,格段の利点を有する試験機を新たに設計・製作した.この試験機の完成により,種々の影響因子について広範な条件で実験が行えるので,今後の研究が促進されると期待される.(2)日本製と欧州製の軸受でそれぞれ一般に用いられているマルテンサイト組織およびベイナイト組織を有する軸受鋼SUJ2について,せん断型き裂の進展挙動の連続観察と進展下限界値の測定を平成22年度に引続き行った。この結果は、材料の優劣を評価するための有用な基礎資料となる.(3)き裂面干渉の影響を検討するため,人工欠陥を有する試験片からせん断き裂を発生させる実験に加えて平滑材の介在物を起点としたせん断型き裂について実験を行い,き裂面の接触面積の影響について研究した.また,内圧を負荷したパイプ試験片でき裂面を開口させ,せん断型き裂の進展試験を行い,進展下限界が内圧の関数として低下することを明らかにした.また,き裂進展特性に及ぼすき裂面直角に作用する圧縮応力の影響を調査する実験を開始した.(4)ベイナイト組織の材料については,圧延直角方向に軸をもつ試験片をを用意して、組織の配向の影響を調べる実験を開始した,疲労強度設計の基本資料として重要な組織異方性の影響に関する情報が得られると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
任意長さの微小なせん断型疲労き裂を試験片表面に作り,その挙動を連続観察することができるようになり、き裂進展特性を研究するための方法は確立された.しかし,き裂面干渉,材料組織などの多くの影響因子についてデータの収集が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
せん断疲労き裂の進展速度が下限界近傍で極めて小さく,いわゆる超高サイクル疲労現象であることが判明した.これに対して,当初から使用している油圧サーボ試験機の試験速度が相対的に遅く,データ収集に時間とコストがかかる問題が浮上した.しかし,平成23年度に試験速度が高くランニングコストが低い試験機を新たに製作したので、今後順調にデータが収集できることが見込まれる.
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[Presentation] Shear-mode Fatigue Cracks from Inclusions2011
Author(s)
S.Okazaki, K.Yanase, H.Matsunaga, M.Endo
Organizer
3^<rd> Int.Symposium on Computational Mechanics (ISCM III), 2^<nd> Symposium on Computational Structural Engineering (CSE II)
Place of Presentation
Taipei, Taiwan
Year and Date
2011-12-06
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