2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペルチェモジュールによりモータ冷却する精密位置決め装置の熱変形ドリフト低減
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22560123
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大塚 二郎 静岡理工科大学, 理工学部, 客員教授 (30016787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十朱 寧 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (60288404)
越水 重臣 産業技術大学院大学, 創造技術専攻, 准教授 (20267868)
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Keywords | ボールねじ / 位置決め / 熱解析 / ペルチェ効果 / 熱変形 |
Research Abstract |
1. 定格出力AC100Wのモータ回転子とボールねじ軸が継がっている一軸の精密位置決め装置(マツタメ社製KM45)で、ペルチェモジュールをモータの両サイドに取り付けるようにした。この位置決め装置は、セミクローズド制御が適用されている。 2. ペルチェモジュール、ヒートシンク、冷却用ファンを組合わせ、モータの外筒を冷却を可能にした。 3. 23±0.3℃の恒温室で、精密位置決め装置のステージ(ストローク300mm,質量7.3kg)を加減速度2G、定速度v=200,300mm/sの台形波速度で動かし続け、時間t=0,90,180分でモータを停止してボールねじ温度を接触式温度計で測った。モータその他数ヶ所の温度は熱電対で絶えず計測した。一例として、v=300mm/sの場合の結果を以下に示す。なお、長手方向をx座標としている。 (1) 非冷却(t=0~90分):ステージの発進(t=0分)後、時間t=約30分でモータに近い位置x=0mm(原点)でのねじ温度はT=45℃まで飽和上昇する。 (2) 冷却(t=90~180分):その後、ペルチェモジュールに電流を流すと、ただちに位置決め装置は冷却されはじめる。t=180分で、x=0mmにおけるボールねじ温度はT=27℃まで下がり、そこ以外のボールねじはじめ装置の大部分はT=23~24℃に冷却されていることが、判明した。 (3) 浜松工業技術支援センターにおいて、三次元測定機(Zeiss社製UPMC)のテーブル上で前記3(1),(2)と同条件でステージを動かした。その際、t=0,90,180分で、位置決め装置のステージを50mmづつ移動し、位置決め誤差Δxと姿勢変化(ピッチング、ヨーイング、ローリング)の測定を行った。その結果、t=0~90分までのボールねじ熱膨張と姿勢変化による熱変形ドリフト20μmは、t=180分において3μm以内になった。
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Research Products
(5 results)