2011 Fiscal Year Annual Research Report
ペルチェモジュールによりモータ冷却する精密位置決め装置の熱変形ドリフト低減
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22560123
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大塚 二郎 静岡理工科大学, 総合技術研究所, 客員教授 (30016787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十朱 寧 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (60288404)
越水 重臣 産業技術大学院大学, 創造技術専攻, 准教授 (20267868)
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Keywords | 制御工学 / 超精密計測 / 熱解析 / ペルチェ効果 |
Research Abstract |
1,モータ軸(定格出力200W)とボールねじ(外径15mm,リード10mm)はカップリングでつながっている。この位置決め装置を「2号機」と名付ける。ステージストロークは300mmである。なお、1号機は平成22年度に各種基礎実験に使ったもので、モータ軸(出力100W)とボールねじ(外径15mm,リード10mm)が直結しているものである。 2.2号機の主な発熱源は、モータ、ボールねじナット、ボールねじのモータ側サポート玉軸受(アンギュラコンタクトDF2個)であるが、位置決め装置のボールねじ熱膨張に影響を及ぼすのは、ボールねじのモータ側サポート玉軸受が一番大きく、次にボールねじナットであることが判明した。 3.サポート部材料(A5052)と玉軸受の間は約20μmのクリアランスがあり、サポート部をペルチェモジュールで冷却しても、ねじ軸はあまり冷却されない。実験により、サポート部に玉軸受を約10μmのしまりばめで組み込み、サポート部を2か所で冷却することが非常に効果的であることを発見した。さらに、サポート部を熱伝導率の大きい無酸素銅にするとボールねじはさらによく冷却されることがわかった。 4.ステージをペルチェモジュールで冷却するとナットを通じてボールねじがよく冷却されることが判明した。 5.ボールねじの軸端の軸方向変位を非接触変位センサで測定すると、ねじ軸膨張量が測定でき、これをペルチェモジュールで補償することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.ボールねじを外側から3個のペルチェモジュールで冷却することで、熱膨張を自在に制御することができた。 2.熱解析が遅れている。 3.外径の大きいボールねじついての検討はこれからである。
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Strategy for Future Research Activity |
1.モータ軸とねじ軸が直結した新しい実験装置(3号機)を完成させ、熱変形ドリフト対策を構築する。 2.昨年度の実験装置(2号機)と3号機のボールねじ熱膨張量、熱に起因するステージ変位誤差を1μm以下にするために、比例・積分制御を適用する。 3.各部の熱解析を行う。 4.モータ熱、ボールねじ支持軸受で発生する熱、ねじ・ナットで発熱する熱、これら3か所で発生する熱をペルチェモジュールで冷却することにより、熱に起因するステージ変位誤差を1μm/300mm以下にすると同時に、同じく熱起因のステージ姿勢変化(ピッチング、ヨーイング、ローリング)も補償することを目指す。
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Research Products
(8 results)