2012 Fiscal Year Annual Research Report
清浄結晶表面の摩擦における原子論的エネルギー散逸機構の解明
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22560140
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
平野 元久 岐阜大学, 工学部, 教授 (50362174)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 摩擦 / 超潤滑 / ナノトライボロジー / トライボロジー / 散逸機構 / 摩擦の起源 |
Research Abstract |
実験研究については,走査型トンネル顕微鏡によって超高真空下で摩擦表面間のトンネルギャップを制御した摩擦実験装置を改良し,摩擦表面の整合性に起因して現れる摩擦異方性を計測し,摩擦異方性と超潤滑に関する理論予測を実証した.具体的には,超高真空走査型トンネル顕微鏡装置を改良し,ピコニュートンの高精度測定を実現した.タングステン探針先端を加熱して得られる(011)面と,対向するシリコンの(001)面とのトンネルギャップを制御して互いにすべらせ,表面間の摩擦によって生じたタングステン針の曲げ変位を計測して摩擦力を測定した.ピコニュートンの摩擦力測定精度を実現するために,光ファイバ先端面の屈折率を多層膜形成によって最適化し高フィネスの光共振器を形成した. 理論研究については,精密な原子間ポテンシャルの開発と超潤滑の安定性解析によって理論の精密化を実現した.具体的には,超潤滑状態が現実的な摩擦条件として,接触面の不純物原子・格子欠陥などの結晶の乱れや,有限のすべり速度に対して安定に存在するかどうかを見極め,超潤滑の安定条件を解明した. 本研究によって得られた成果は以下である.1.多体原子間相互作用を考慮した精密な原子間ポテンシャルを新規に開発した.2.超潤滑の安定条件を明確化するために,分子動力学計算により,超潤滑状態が,温度,すべり速度,不純物・格子欠陥等の結晶の乱れに対して安定に存在する条件を解明した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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