2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22560141
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
柳田 秀記 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90166554)
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Keywords | 静電フィルタ / 電荷注入 / 絶縁性液体 / 潤滑油 / 汚染管理 / イオンドラッグ / 再利用 / 数値解析 |
Research Abstract |
H23年度は次の3項目について研究を進めた. 1.フィルタモデルによる油の浄化実験 H22年度に試作した10種類のフィルタモデルによる浄化実験の結果,平面状コレクタ電極に垂直にフィンを取付け,そのフィンと注入電極の突起の間に斜めにフィルタエレメントを挿入する形式のフィルタ形状で浄化速度が最も高くなる結果が得られた,この結果を踏まえてH23年度は,フィルタエレメントの角度と長さ,副突起の有無の影響を調べ,コレクタ電極に対向する主突起に加えてフィルタエレメントに対向する副突起を注入電極に設け,フィルタエレメントの幅を大きくすることで浄化速度の一層の向上を図れることが明らかとなった. 2.フィルタ内部の電場と流れ場の数値解析 上記のフィルタモデルを2次元でモデル化し,電界分布,電荷密度分布,イオンドラッグ流れ場に及ぼすフィルタエレメントの幅と角度,副突起の有無の影響を調べた.フィルタエレメントやコレクタ電極表面上の電界強度分布への影響は明白に現れ,粒子捕捉性能と形状との関係が考察できた.しかし,電荷密度分布とイオンドラッグ流れ場は形状に依らず比較的狭い領域に限定されており,注入された電荷が広い領域に広がっていないことがわかった. 3.イオンドラッグ流れ場の数値解析のための基礎研究 平面形電極対からなるイオンドラッグポンプを対象として数値解析を行った.また,可視化用モデルを作製して内部の流れ場と発生圧力を測定し,種々の条件で行った数値解析による流れ場や圧力と比較した.その結果,エミッタ電極の最大電界強度の場所から電荷が集中的に注入されている可能性が示唆された.また,電気ひずみ力の影響を調べたが,その影響はクーロンカに比べて非常に小さく,無視しでもよいことが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初に計画した実験項目のほぼすべてを実施し,良好な結果を得た.最終年度である次年度中に研究開始前に設定した目標を達成できる見通しが得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
フィルタエレメントは浄化速度を高める形状であると同時に製作しやすい実用的な形状でなければならない.H24年度は実用化に適したフィルタ形状を提示し,実験により浄化性能を種々の油を用いて評価する.また,3次元に拡張した数値解析プログラムを用いて内部形状をより忠実にモデル化し,フィルタ内部の流れ場と電場を精度よく解析して形状の修正を行い,最終的に最良形状を提示する.また,イオンドラッグ流れ場の数値解析精度の向上を目指す.
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