2011 Fiscal Year Annual Research Report
安全・安心社会のための協調作業可能な三次元破壊力学解析統合プラットフォーム
Project/Area Number |
22560149
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
岡田 裕 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50281738)
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Keywords | CAE・CAD / 安全・安心設計 / 破壊力学 / 大規模有限要素法解析 / 応力拡大係数 / J積分 |
Research Abstract |
本研究は、3年の研究期間で「三次元大規模破壊力学解析統合プラットフォーム」を構築することを目的とする。これを利用すれば様々な機能拡張(例えば、クリープ環境下や溶接残留応力下の破壊力学解析)を簡単かつ迅速に実施可能になり、その結果、種々の三次元破壊力学解析による経年構造物の構造健全性や余寿命評価が実用化される。 平成22年度までに、本研究の代表者らが今までに作成した関連のソフトウエア群を統合化し、仮システムの構築と非線形破壊力学解析システム構築のための準備を行った。平成23年度の目標は,(ア)大規模三次元疲労き裂進展有限要素法解析の実現,(イ)大規模三次元非線形破壊力学解析の実現である. (ア)大規模三次元疲労き裂進展有限要素法解析の実現では,(a)大規模有限要素法破壊力学解析モデルのハンドリング技術の確立と実装と(b)大規模有限要素法解析実行のためのソフトウエア整備にトライアルし両者とも成功した.それらを,有限要素法解析を並列クラスタ上で実行することと,破壊力学パラメータ解析のようなデータ操作をする際に必要なデータ転送量を小さくすることで実現した. (イ)大規模三次元非線形破壊力学解析の実現では,並列汎用非線形有限要素法ソフトウエアMSC.Marc DDMを解析に使用し,本研究で開発してきたJ積分計算プログラムをポスト処理に用い,目標を達成した. 平成24年度の目標は三次元大規模破壊力学解析統合プラットフォームの実証解析と研究成果の公開である.実証解析については,き裂を有する複雑な構造物を解析するためのメッシュ生成技術の開発に成功し,準備が整いつつある.研究成果の公表についても,International Journal of FatigueやASME PVP Conferenceで論文発表が採択されるなど、既に実施しつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模有限要素法解析実行のためのソフトウエア整備(有限要素法解析を並列クラスタ上で実行することと,破壊力学パラメータ解析のようなデータ操作をする際に必要なデータ転送量を小さくすること)に成功した.さらに,並列汎用非線形有限要素法ソフトウエアMSC.Marc DDMを解析に使用し,本研究で開発してきたJ積分計算プログラムをポスト処理に用い,比較的大規模な非線形破壊力学解析に成功している.よって,おおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる,平成24年度は研究成果の公表に力点を移していく.既に,International Journal of FatigueやASME PVP Conferenceで論文発表が採択されるなど,成果を挙げつつあるが,さらに論文発表をしていきたい.
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