2012 Fiscal Year Annual Research Report
軽度下肢障碍者の一般トイレ利用を可能にする新しい移動システムの開発
Project/Area Number |
22560239
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
森 善一 茨城大学, 工学部, 准教授 (70305415)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 人間機械システム / 福祉用ロボット |
Research Abstract |
本課題では,軽度下肢障がい者が独りで一般用トイレを利用できるようになる機器の開発をめざした.開発当初,「伸縮ロフストランドクラッチ」,「膝関節駆動機」,および「受動足首機構」から構成されるシステムを想定していた.しかしながら,研究を進めていく中で,「受動足首関節」は必ずしも必要ではないこと,「膝関節駆動機」については,“電動モータ”を“ガススプリング”に置き換えることが有効であることが分かった.その結果,健常者による実験では,大腿の筋電位は,通常の起立動作より平均値で27.8%,最大値では83.7%の筋負担の軽減を実現できた.しかしながら,軽度下肢障がい者による実験では,立位姿勢に移行する動作が困難であることが分かった. そこで,最終的に「伸縮ロフストランドクラッチ」と「膝関節駆動機」を一つにまとめるアイディアとして,“ロッキングチェア”を応用した「伸縮ロッキングクラッチ」の開発に至った.この杖は,伸縮ロフストランドクラッチの後方にもう一本,杖を付加し,下方で2本の杖を円弧状の木製の板で接続したものである.利用者はまず後方の杖で体を車椅子から起こし,ロッキングチェアに座っている場合と同様に,連続的に体重を後方から前方へかけていくことにより,前方に杖を配置した歩行姿勢に移行する.本杖は伸縮動作にはガススプリングを用い,携帯性を考慮し,折りたためる構造とした.健常者ならびに軽度下肢障がい者による実験では,着座姿勢から立位動作へ移行後,杖を伸ばし前方へ歩行,その後,後方へ歩行し,杖を縮めて着座するという一連の動作ができることが確認できた.下肢障がい者の立位時の膝および上腕の筋電位は平均で0.78 mVおよび 1.9 mVとなった.また一般トイレで使用できることも確認できた. 今後,機器の軽量を行い,被験者を増やした実験をとおして機器の最適化を図っていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)