2012 Fiscal Year Annual Research Report
パルスパワーを用いたバイオマス燃料製造技術の研究開発
Project/Area Number |
22560275
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
下村 直行 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (90226283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺西 研二 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (80435403)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | バイオマス燃料 / 微細藻 / パルスパワー / バイオエレクトリクス / エレクトロポレーション / 増殖促進 |
Research Abstract |
緑藻(微細藻)をバイオ燃料として実用化する上の技術的な最大の問題点は,油性分の抽出の効率化にあり,また成長(増殖)速度がさらに速まることが望まれる。本研究はパルスパワー技術を用いてこれら2つの改善方法を検討した。 1.パルスパワーを用いて細胞壁に電気的穿孔(エレクトロポレーション)を起こし,内部成分の取出しを試みた。前年度までに穿孔現象が確認できていなかったため,これまでのパルス幅1マイクロ秒程度のパルスに代えて,パルス幅25マイクロ秒から200マイクロ秒のパルスパワー電源を新たに開発し,実験を行った。緑藻を含む溶液にこれらのパルスを数10回程度印加した後に観察すると,通常は緑色の個体の中に部分的に透明(白色)になっている個体がいくつも確認されるようになった。使用している油浸式の光学顕微鏡の拡大限界では,その現象の物理的な仕組みは確認できなかったが,部分的に電気的穿孔が発生して内容物の一部が外部に漏れ出した結果と考えるのが妥当である。実験条件の範囲内の,パルス幅,印加回数,および印加電圧の変化に対して,その影響の依存性は確認できなかった。ただし,前年度の結果と比較することで,1マイクロ秒以下のパルス幅では影響なく,数10マイクロ秒以上のパルス幅が必要であることが分かる。 2.パルスパワーを用いて,パルス電界の印加による緑藻の増殖促進を試みた。前年度までは,増殖促進の徴候はあるもののそれに適した実験条件を見出せずにいたため,一様な成長環境を提供する培養装置の製作に着手し,これを用いて最適条件の特定を試みた。しかし製作できた培養装置が少なく,同様に増殖促進の徴候はあるものの,最適実験条件の特定には至らなかった。精度のよい培養装置を多数用意して実験継続する必要があることが分かった。これが明らかになることで本研究対象以外にも農業分野など様々な応用が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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