2011 Fiscal Year Annual Research Report
巨大一軸異方性磁界を誘導した20GHz超動作のマイクロ波電磁界収束材料の開発
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22560310
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
宗像 誠 崇城大学, 情報学部, 教授 (10183112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 振一 崇城大学, 情報学部, 教授 (70175727)
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Keywords | 巨大一軸異方性 / マイクロ波 / 電磁界収束材料 / 20GHz超動作 / CoFeSm磁性膜 / 下地層 / 表面エネルギー / 異方性入射効果 |
Research Abstract |
申請者(研究代表者)が世界最高の強磁性共鳴周波数(FMR)10GHz超を達成したCoFeナノ結晶膜の磁気共鳴(FMR)周波数を引き上げるため,Smほか希土類元素の添加を行い、硬質磁石磁性に由来する大きな結晶磁気異方性を引き出すことを主目的として,これを高精度で一軸配向させる下地層の製膜条件を求め、それらの製膜機構と巨大一軸異方性との因果関係をさらに詳細に探査した。 昨年度と同様に,SmをCoFe膜中に添加した場合,適切な下地層膜による表面エネルギーの制御機能が,希土類原子の一軸異方性入射効果を促進し,4f電子と3d電子軌道の異方性結合が特定の方向において生ずることをスパッタ原子配列シミュレーションから見出した。また、Smを添加しないCoFe膜への下地層による効果を、NiFe,Ru,Cu下地層膜について製膜し、実験的に表面制御機能を検証した結果、Cu下地層でも、Ru下地層と同様の効果が得られ、レアメタル資源対策としても有効な結果が得られた。 この実験検証においても、本研究で独自に開発したカールセル型スッパッタ製膜でしか得られない特別な膜面平滑性を見出し、下地層上に製膜される微結晶の結晶配向を分散の少ない一軸化が促進されることを、結晶配向解析からつきとめている。 今後、より分散の少ない原子配列条件を探査・追求しながら、CoFe膜にSmを添加し、結晶配向と巨大一軸異方性との発現の関係、および誘電体とのハイブリッド化について明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
希土類材料(中国の日本向輸出ストップ)の価格の急激な高騰ため、入手準備に予定を超えた費用・時間がかかっている。また、代替元素の検討についても、元素戦略のため、さらに予定の範囲を広げてスパッタ原子配列シミュレータを活用しながら試作開発の予備作業を行う必要が出てきている。
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Strategy for Future Research Activity |
カールセルスパッタ法による特殊な原子堆積機構を利用した下地層の選定を行い、これによって予想される原子配列の一軸異方性配列から大きな結晶磁気異方性を誘導することを目指して、予定通りCoFeSm-Xについて、本格的な試作開発を始める予定である。 さらに、Xに当たる特定元素についても、異方性分散制御の立場から探査究明する予定であるが、あらかじめスパッタ原子配列シミュレータを用いた推定を行う方針である。
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