Research Abstract |
本研究は,光導波型センサの設計指針,実用性を明らかにすると共に,それらの研究成果を基に設計や作製を支援するデータベースを開発することを目的としており,【SUB1】「センサ特性の微細機械構造サイズ依存性の考察」と【SUB2】「設計・作成支援等データベースの構築」の2つのサブプロジェクトからなる。各サブプロジェクトにおける平成22年度の研究成果は次のとおりである。 【SUB1】実験的な見地から,光導波型加速度センサにおける位相感度と導波路位置,ダイヤフラムサイズの関係について考察した。その結果,導波路位置がダイヤフラム端に位置するとき,感度が最も高くなり,おもり端においても比較的感度が高いことが分かった。また,ダイヤフラム形状を正方形とし,おもりサイズを5mm×5mm×250μmと一定としたとき,位相感度がダイヤフラム辺長に比例する結果が得られた。さらに,ダイヤフラム厚に位相感度が反比例する結果も得られた。これらの知見は,センサ設計支援データベースの作製の基礎となるもので重要である。しかし,理論的な検証はまだ十分でなく,来年度の課題である。 【SUB2】実験的および理論的考察が十分になされている圧力センサに関して,光導波路設計支援およびダイヤフラム設計支援データベースの基盤を構築した。光導波路設計支援については,今のところ装荷型のものに限定されるが,単一モードとなるバッファ層厚,導波層厚,装荷層厚,装荷層幅を決定することができる。ダイヤフラム設計支援については,現段階では設計まで至っていないが,ダイヤフラムサイズから位相感度(或いはダイナミックレンジ)や共振周波数を算出することができる。ダイヤフラムに関しては,設計に係わるパラメータが多く,今後,それらパラメータに対する拘束条件の設定,設計値の算出法等の検討が必要である。
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