Research Abstract |
本研究は,光導波型センサの設計指針,実用性を明らかにすると共に,それらの研究成果を基に設計や作製を支援するデータベースを開発することを目的としており,【SUB1】「センサ特性の微細機械構造サイズ依存性の考察」と【SUB2】「設計・作製支援等データベースの構築」の2つのサブプロジェクトからなる。各サブプロジェクトにおける平成23年度の研究成果は次のとおりである。 【SUB1】実験的な見地から,光導波型加速度センサにおける位相感度および周波数特性の微細構造サイズ依存性について考察を行った。ダイヤフラムの大きさを10mm×10mmの正方形とし,おもりサイズを5mm×5mm×300μmとして,ダイヤフラム厚の異なるセンサを5種類作製し,位相感度を測定したところ位相感度がダイヤフラム厚の2乗に反比例する結果が得られた。また,有限要素法による理論的考察に着手し,ダイヤフラムをベースとした圧力センサに対して,数値計算結果の妥当性を確認し,加速度センサへの適用の問題点を明らかにした。さらに,振動系の構造を有するセンサにおけるダンピングについて,理論および実験の両面から,基礎的な考察を行い,エアダンピングの適用可能性を確認した。 【SUB2】実験的および理論的考察が十分になされている圧力センサに関して,光導波路設計支援およびダイヤフラム設計支援アプリケーションのプロトタイプを作成した。光導波路設計支援に加え,所望の位相感度および共振周波数(あるいはダイナミックレンジ)から,それらの仕様を基にダイヤフラムの辺長および厚さを決定するセンサ設計支援システムの基盤を構築した。しかし,ダイヤフラムに関しては,設計に係るパラメータが多く,今後さらに,適切な拘束条件の設定,設計値の算出方法等の検討が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「センサ特性の微細機械構造サイズ依存性の考察」に関しては,加速度センサにおける実験データの蓄積と信頼性向上を図ることができ,理論的考察がやや遅れているものの,おおむね順調に進展していると言える。また,「設計・作製支援等データベースの構築」に関しても,設計支援については,PCへのインストールを想定した配布型アプリケーションの基盤構築が完了し,W6bアプリケーションへの移行の準備が整った。
|
Strategy for Future Research Activity |
「センサ特性の微細機械構造サイズ依存性の考察」に関しては,加速度センサの実験を引き続き行うが,流量センサにおける実験データの蓄積と信頼性向上も図りたい。また,これらのセンサについて,有限要素法による理論解析を行い,実験と理論の両面から設計支援アプリケーションの基礎となるデータの蓄積を目指す。 「設計・作製支援等データベースの構築」に関しては,設計支援システムの配布型アプリケーションを高機能化すると共に,そのWebアプリケーション化も行う。作製支援データベースについては,基盤となる基礎的なシステムを構築する予定である。
|