2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560355
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 寿彦 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (70301934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 恭孝 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (70125293)
大鐘 武雄 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10271636)
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Keywords | UWB / MIMO / 位置検出 / 到来方向推定 |
Research Abstract |
本研究ではMIMOシステムによって送受信間の相対位置を推定する方法、すなわち、MIMOレーダの実現法を検討している。前年度までに広帯域信号を利用して高精度到来方向検出について検討を行ってきた.その際,到来信号が無相関なものだけでなく有相関の信号についても、MUSIC法に受信側で空間スムージングを施すことで高分解能到来方向推定が可能であることを示した.また,近接して到来する2波の推定だけではなく,ランダムに到来する場合についても提案手法が有効であることを示した. 本年度はこの研究を発展させ,特に以下の2つについて検討し,学会発表を行った. 1.提案手法をランダムに到来する信号の方向推定に用いる際は,3段階で方向推定する際の初期パラメータが非常に重要である.特に,高い周波数帯を用いる際にはグレーディングローブが観測されてしまう問題が大きく影響する.そのため,各段階でのスナップショット数,探索範囲の絞り方,角度ステップ,および使用周波数の決定法の最適化が必要であった.これらについて詳細に検討を行い,提案する高精度な方向推定がランダムに到来する場合にも有効であることを示した. 2.これまでは送信側は一つの素子を持つ場合の検討を行ってきたが複数の素子を持つ場合について検討を行った.その結果,送信側の素子からそれぞれ無相関の信号を送信することで,受信側で行うのと同様な空間平滑化が可能となるため,直接波だけでなく反射についても方向推定が可能となることを明らかにした. また,到来波数が3になった時にも,提案手法が可能であることを確認した.この場合も,グレーディングローブが大きな問題となったが,高い周波数を用いる段階での探索範囲の取り方を工夫することにより方向推定が可能であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
提案アルゴリズムの開発および計算機シミュレーションによる検証については,おおむね順調に進展しているものの,実伝搬環境を用いた実験については,計算機シミュレーションのプログラムに大きく時間を費やしてしまい,その準備ができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
提案アルゴリズムの検証において,送信側に複数素子を置いた場合の効果について検討を進める.具体的には,送信側での空間平滑と受信側での空間平滑にどのような相違点があるのかを究明し,その結果をフィードバックして提案アルゴリズムを改良する.また,実伝搬環境においてMIMOシステムを構築し,実験を行う予定である.予備的な実験の際に,現有する広帯域アンテナの利得が不十分であることが懸念されているので,この問題についての対応を検討する必要がある.送受信間隔を短くすることでこれが可能であると予想される.
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Research Products
(5 results)