2010 Fiscal Year Annual Research Report
位相の異なる搬送波のベクトル合成を用いた全ディジタル化送信機の研究
Project/Area Number |
22560392
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
楳田 洋太郎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80439918)
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Keywords | 移動体通信 / 電力増幅器 / 高効率 / スイッチング動作 / ディジタル回路 / 送信機 |
Research Abstract |
1. 直交アップコンバージョン型送信機と従来型送信機の特性比較 提案する「位相の異なる搬送波のベクトル合成を用いた送信機」のうち最も簡単な、直交する2つの搬送波を用いた場合に相当する直交アップコンバージョン型送信機について、従来の包絡線パルス幅変調送信機送信機との特性比較を、計算機シミュレーションにより行った。その結果、直交アップコンバージョン型送信機は、変調精度に関しては従来の構成と比べて大差無く良好な特性を示したが、量子化雑音が大きいことがわかった。また、交流的に正負の2値出力であるため、出力振幅が小さいときに消費電力が低くならず、電力効率が低下することがわかった。量子化雑音については、今後パルス密度変調部において量子化雑音を低減する構成に変更するとともに、次項に示すトランスバーサルフィルタ型電力増幅器構成を提案し、量子化雑音の抑圧を図る予定である。また、小出力振幅時の電力効率低下に関しては、正負2値以外に零も含めた3値出力とすることにより解決できる見通しを得ている。 2. トランスバーサルフィルタ型電力増幅器の提案 提案する送信機や包絡線パルス幅変調送信機等のパルス密度(または幅)変調を行ったRF信号を電力増幅器に入力する構成の送信機では、RF信号に重畳する量子化雑音をRF帯における狭帯域フィルタで抑圧する必要がある。しかし、このフィルタは出力信号の周波数に応じて帯域を可変する必要があり、そのようなものは従来なかった。このため、本研究ではトランスバーサルフィルタの各経路にスイッチング型電力増幅器を挿入したトランスバーサルフィルタ型電力増幅器を提案し、高効率動作と量子化雑音の低減を両立できることを、計算機シミュレーションにより示した。本構成の電力増幅器は、提案する送信機と従来の包絡線パルス幅変調送信機のいずれに対しても適用できる。
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Research Products
(4 results)