2010 Fiscal Year Annual Research Report
舌-乳首接触圧計測システムの開発を通じた哺乳時の乳児舌運動メカニズムの解明
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22560431
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
新川 拓也 大阪電気通信大学, 医療福祉工学部, 准教授 (50340641)
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Keywords | 哺乳行動 / 人工乳首 / 舌運動 / 舌-人工乳首接触圧 / 力センサ / 新生児 / 乳児 |
Research Abstract |
乳児の成長過程において栄養管理は極めて重要であるが,とりわけ低出生体重児は、母乳や人工乳を哺乳する「哺乳行動」に課題を抱えている割合が多く、健やかな成長の妨げとなる.このような背景から「哺乳行動の理解」は必要不可欠といえるが、実際は解明されていない点が多い。従来の研究より,哺乳行動は舌運動が主体となることが判明しているが,その力学的詳細は不明である. 本年度の研究においては、小型圧力センサを複数内蔵した人工乳首を開発し、乳児が哺乳時において乳首の「どの部位に」「どの程度の圧力をかけているか」を計測して、哺乳時における乳児の舌運動について、その力学的特徴の抽出を試みた。すなわち,舌-人工乳首の接触圧をリアルタイムに計測できるPCベースのポータブルなシステムを構築し,複数の乳児に実際の計測を行った.力センサは,ステンレス薄板を梁とした片持ち梁を使用しており,汎用箔ひずみゲージを梁の表面に貼付している.各力センサの信号は増幅され,USBを経由してPCに入力される.本システムを用いて,新生児および乳児に対して計測を行った結果,すべての被験児において出力信号の波形が観測され,一秒間に約2回の吸啜回数が示された.また,経口哺乳が確立した乳児においては,舌の蠕動様運動を不す圧力波形が観測された.なお,計測例すべてにおいて舌尖部より舌根部の接触圧が大きい結果となった. これらの成果を英文学術論文および和文学術論文それぞれ1件投稿して採録された.さらに,国内における学会発表を1件行った.
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Research Products
(3 results)