2011 Fiscal Year Annual Research Report
事前情報と部分空間同定法を用いた非線形システムの同定に関する研究
| Project/Area Number |
22560446
|
|---|
| Research Institution | Hiroshima University |
|---|
Principal Investigator |
田中 秀幸 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (90303883)
|
|---|
| Keywords | システム同定 / グレーボックス同定 / 部分空間同定法 / LPV (Linear Parameter Varying)モデル / Twin Rotor MIMO System / 回転型振子 / モデル集合同定 |
|---|
| Research Abstract |
本研究の目的は,線形システムの同定法である部分空間同定法を基礎に,運動方程式等に基づく非線形性の事前情報を用いる事で,新たな非線形システムに対するモデリング法を提案することである.これまで研究してきたシステム同定に関する研究もさらに進め,物理モデルと統計モデルに基づくモデリング理論の構築を目指す.本年度の成果は,以下の通りである.
(1)Twin Rotor MIMO Systemに対して,グレーボックスモデリングに基づくLPV (Linear Parameter Varying)モデリングの研究発表および論文発表を行った.提案法によりある程度の精度のモデルは得られたが,運動方程式でとらえられていない部分が不確かな要素としてグレーボックスモデルの精度に影響を与えている.
(2)Twin Rotor MIMO Systemに対して提案した方法を回転型振子にも適用した.回転型振子は振子に重りを付けて慣性モーメントを変えられるようにした.運動方程式から求めたホワイトボックスモデルと数点のブラックボックスモデルからグレーボックスモデルを構成し,振子の重りの位置をパラメータとしてモデルを求められることを示した.システム同定の結果と運動方程式から得られるモデルを比較し,提案法において用いるホワイトボックスモデルがグレーボックスモデルの精度に影響する具体例を示した.
(3)これまで行ってきた部分空間同定法の研究を進めたものとして,周波数領域における部分空間同定法および線形行列不等式を用いて,複数のモデルからモデル集合の同定を行う方法を提案した.
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究機関が変わったことによる授業等の負担増や学内業務の増加により,研究時間が一時的に減少したため.
|
| Strategy for Future Research Activity |
実験機の設置機関は以前に勤めていた研究機関になるが,これまで提案法で出ている実験結果等の知見に基づいて,理論的な考察を進めていく.
|
Research Products
(7 results)
