2012 Fiscal Year Annual Research Report
複雑環境下で自立的に調和行動を実現するハイブリッド型適応学習システムの構築
Project/Area Number |
22560457
|
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
宮里 義彦 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30174155)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 適応制御 / 非線形制御 / ハイブリッドシステム / 調和行動 / 学習制御 / フォーメーション制御 / コンセンサス制御 |
Research Abstract |
本研究では現代の適応学習制御システムに対する要請を考慮して,広範囲の環境変動や特性変動,制御仕様の変更に対応でき,特に大規模で複雑な対象について,部分的な情報を用いて,全体を統合化しつつ調和の取れた行動を実現するハイブリッド型適学習システムの構築を目的とする.これにより適応学習制御,制御理論,知的制御の従来の枠を拡張するだけでなく,大規模複雑系の調和行動の実現という観点から,既存の分野を越えた新たな研究分野の創成とその理論体系の整備も視野に含めている. 本年度は特に簡単な力学系や線形系を構成要素として含む大規模系に対して,緩やかな制約条件と関連づけたポテンシャル関数を追加したリアプノフ関数を用いて,特定の物体に対して自立的に群生行動(フォーメーション制御やコンセンサス制御など)を実現する非線形適応H無限大制御方式の構築や,分布定数系に対するフォーメーション制御とコンセンサス制御,およびモデル規範形適応コンセンサス制御方式の開発を行った.その際に,システムパラメータや適応機構の不確定性,群生行動に関わるポテンシャル関数の不確定要因,リーダー情報の不完全な伝達などを,非線形H無限大制御問題の外乱として定式化し,適応制御と非線形制御の理論解析により安定性を確保しつつ,制御システム全体の性能を厳密に指定できる設計論を開発した.また個々の要素としての分布定数系,混合定数系,むだ時間系と非線形系,および耐故障性を考慮した制御問題についても研究を進め,ロバスト制御器の構築などに関して一定の成果を得た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特定の非線形系に対するフォーメーションから本研究テーマを開始し,その後,無限次元系に対するフォーメーション制御とコンセンサス制御,一般の線形系に対するモデル規範形適応コンセンサス制御方式など(特に通信環境が限定されたコンセンサス制御問題の考察),対象についても制御手法についても範囲を広げて,それぞれについて新たな制御方式を開発している.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に様々な対象についてフォーメーション制御やコンセンサス制御に代表されるマルチエージェントシステムの制御方式を開発しその動作を解析するとともに,通信方向が規定されている場合の考察や、ハイブリッドシステムをより広く解釈する中で離散事象システムやシステム生物学とカオス理論などについても考察の対象を広げて,同様の調和行動実現のための制御原理を構築する研究を遂行する.
|
Research Products
(11 results)