2010 Fiscal Year Annual Research Report
既設構造物背後における円柱の空力振動の発生機構解明と風力発電可能性に関する研究
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22560480
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長尾 文明 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40172506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 稔 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (30283972)
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Keywords | ウェイクギャロッピング / 円形断面物体の空力不安定振動 / 風力発電 |
Research Abstract |
複数物体の背後において,上流側物体のウェイクに位置する円形断面の構造物や部材に生じる振動現象は,斜張橋の並列ケーブルのウェイクギャロッピングや送電線におけるウェイクインデュースドフラッター等がよく知られている.そして,これらの現象は,上流側物体の後流と下流側物体の相互干渉作用による自励振動である.本年度においては,その振動発生のメカニズム並びに振動応答特性に及ぼすレイノルズ数や固有振動数の影響等について検討し,得られた成果を以下に示す. ・下流側円柱の応答特性は,円柱の固有振動数fと円柱の直径Dで風速Uを無次元化した換算風速U/fDによって説明することができず,レイノルズ数UD/vに依存していることが再確認された. ・上流側円柱からの剥離せん断層の影響を調査するため円柱表面に粗度を付与した場合には,気流直交方向とともに気流方向にも応答振幅が増大することもあることが明らかとなった. ・ヘリカルワイヤーを30度の傾きで3本設置した場合には,ヘリカルワイヤーの直径が円柱の4%程度以上になると円柱の直径と同程度の大振幅のウェイクギャロッビングの応答が発生しなくなり,円柱の半径と同程度の応答は安定して発生することが確認された. ・2段階の応答振幅は,上流側円柱背後の風速分布計測から,上流側円柱のカルマン渦のほぼ中心(円柱の半径と同程度の小振幅応答)と上流側円柱の剥離境界層(円柱の直径と同程度の大振幅応答)に密接に関連していることが明らかとなった.
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Research Products
(1 results)