2010 Fiscal Year Annual Research Report
凍結路面状態における交通渋滞と旅行時間の動的予測手法に関する研究
Project/Area Number |
22560524
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中辻 隆 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60123949)
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Keywords | 旅行時間予測 / フィードバック / 冬期路面 / 交通シミュレーション / API / ITS / 追従挙動 / プローブ車 |
Research Abstract |
1)凍結路面における走行特性 凍結路面における追従特性を実走行試験データに基づいて分析した。追従時の挙動を表現するために(1)潜在衝突指数、(2)衝突速度、(3)予想衝突速度、3つの指標を定義するとともに、夏季および冬季路面状態での3指標の比較分析を行い、これらの指標が夏季と冬期で大きく異なることを明らかにした。また、それらの差が、冬季においては、追突をさけるために、速度-車頭関係が夏季と大きく異なっていることによっていることを明らかにした(論文1)。さらに、追従挙動に大きな影響を及ぼす運転者の反応時間特性を多様な条件下の実走行データを用いて分析し、個人内、および個人間のばらつき特性を定量的に評価した(論文2)。 2)フィードバック推定手法のAPI機能を有する交通シミュレータへの組込み 交通状態推定手法の高精度、および高速化を図るために、機能性に優れた市販のシミュレーターをフィードバック推定法の算法に組み込むことを行った。ここでは、市販の交通シミュレーターのAPI (Application Programming Interface)の適用を試みた。先ず、パーティクルフィルタと市販の交通シミュレーターとしてAimsunを用いて、直接観測することが難しい交通変量である反応時間を推定する新たな統合環境の構築を行った(論文3)。さらに、同じ環境下で、GA(遺伝的アルゴリズム)とAPIの組み合わせでAimsunの代表的なパラメータを推定する手法、ならびにUnscentedカルマンフィルターを用いて交通需要を逆推定する手法の確立を行った(論文投稿準備中)。 3)旅行時間予測モデル 札幌市内のタクシープローブ車データを用いて旅行時間の予測と旅行時間情報の提供の有無による効率性の評価を夏季と冬季において実施し、情報提供によって10~30%の旅行時間の短縮と燃費の向上が期待できることを実証的に明らかにした(講演1)。また、予測信頼性を向上する手法を構築することを目的として、旅行時間の予測についてリアルタイム情報を導入し、動的に予測を行う手法の開発を行った。
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