2010 Fiscal Year Annual Research Report
覚醒度向上のための体内時計光受容センサー・光制御用LEDシステムの開発
Project/Area Number |
22560583
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
明石 行生 福井大学, 工学研究科, 准教授 (10456436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安倍 博 福井大学, 医学部, 教授 (80201896)
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Keywords | 生体リズム / 体内時計 / 分光器 / 光照射 / LED / 分光放射エネルギー / データロガー / メラトニン |
Research Abstract |
本研究は、生体リズム障害を予防・緩和し、学習・就業時の覚醒度を向上するために、(1)体内時計光受容センサー、(2)光制御アルゴリズム、(3)光制御用LEDシステムにより構成される、光制御システムを開発することを目的とする。 平成22年度には、(1)光受容センサーを開発し、(2)体内時計光受容センサーがうまく機能するかどうかを調べ、光照射が生体リズムに及ぼす影響を調べるためにフィールド実験を行った。 (1)小型分光器と小型データロガーから構成される体内時計光受容センサーを開発した。分光放射エネルギーから体内時計への刺激量に変換するためには、体内時計の光受容機構モデルを明らかにする必要がある。これについて文献調査を行った結果、Reaらのモデルと高橋らのモデルが有効である可能性が高いことがわかった。そのため、これらの光受容機構モデルを用いて分光放射エネルギーから体内時計の刺激量に変換することにした。 (2)フィールド実験では、4名の被験者に対して、早朝の1時間、蛍光灯による光刺激を与えた。低照度を照射する条件の下と高照度を照射する条件の下で、上述の体内時計光受容センサーを用いて体内時計への刺激量を測定・記録した。同時に、被験者の生体リズムと覚醒度を把握するために、活動量、眠気評価、舌下体温測定、唾液中のメラトニン濃度測定を一定の間隔で測定した。実験の結果、光受容センサーを用いれば、被験者が1日に浴びた光の放射エネルギーと体内時計への刺激量を継続して測定・記録できることを確認した。被験者の光刺激量が高いほど、午前中の被験者の活動量は多くなることがわかった。しかし、メラトニンの分泌量を調べた結果、本来、就寝前に高くなるはずのメラトニンの分泌量が起床後に高くなっている被験者が多いことがわかった。このため、メラトニンの測定回数を増すことにより、被験者の生体リズムを精度高く測定する必要があることを明らかにした。
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