2012 Fiscal Year Annual Research Report
風力発電システムから発生する騒音の伝搬性状に及ぼす気象の影響
Project/Area Number |
22560591
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
岡田 恭明 名城大学, 理工学部, 准教授 (20367741)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 風力発電 / 水平音響放射特性 / 鉛直音響放射特性 / 騒音伝搬 / 発電出力 / ロータ回転速度 / 風向風速 |
Research Abstract |
我が国においても,風力発電施設は,再生可能エネルギー利用推進の観点から年々増加傾向にあるが,それに伴う周辺環境への影響も一部で懸念されている。そのため,平成25年度より環境影響評価法の対象事業に追加されるに至った。風車から発生する騒音や低周波音は,ブレードの回転やそれが支柱を通過する時に発生する空力音,ナセル内部の発電機や増速機などの設備機器音が主とされており,これまでも様々な施設を対象にその実態調査が行われている。本研究では,風車周辺の多点で騒音の同時測定を3ヶ月にわけて実施し,ナセル上部で観測されている1秒ごとの風速や発電出力などのデータを用いて,風車騒音の水平方向および鉛直方向への音響放射特性や距離減衰特性に着目した検討を行った。その結果,次のことが示唆された。1)風車から発生する騒音は,通常,地上10mあるいはナセル高さでの風速を基に整理されているが,風車の稼働状態であるロータ回転速度や発電出力を用いることも有効である。2)騒音のレベル上昇は,定格出力となる風速ではなく,ロータ回転速度が最大となる風速で上限となる傾向が認められる。3)水平方向に対する騒音は,ナセル前方と後方に比べて側方では5dB程度低くなる傾向がある。すなわち,ナセルの方位(風向)によって観測時の音圧レベルに差異が生じる場合が起こりえることに注意する必要がある。4)ロータ中心部からロータ端部までにおける音圧レベルは,地上のそれと大差がない。5)騒音の主要な成分は,発電出力の大小によらずほぼ同様である。6)風車から200m離れた点までの距離減衰特性は,円形面音源を想定した計算結果とほぼ同様の傾向を示していた。なお,今回の実験からは伝搬に及ぼす風の影響は確認できなかったが,風車の音響放射特性は風速および風速によって大きく異なるため,その点も含めて予測する必要があることを明らかにできた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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