2011 Fiscal Year Annual Research Report
生活環境内のコンフリクト解消に向けた行為シーケンスのパタン・ランゲージの構築
Project/Area Number |
22560608
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長坂 一郎 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (10314501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本江 正茂 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70262037)
近藤 伸亮 独立行政法人産業技術総合研究所, 研究員 (40336516)
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Keywords | 計画論 / 行為シーケンス / パタン・ランゲージ |
Research Abstract |
本年度は,行為シーケンスの特徴を視覚的に分析するための表現として,人の行動傾向をベクトル場として表現する方法,およびランドスケープ・ダイアグラムとして表現する方法を提案した.具体的には観察対象であるシェアオフィス内のユーザの行動を観察・記録し,軌跡データを取得し,そのデータをベクトル場とランドスケープ・ダイアグラムにより表現し,人の行為の多様性と空間特性の分析における利点を検討した.最後に,ベクトル場とランドスケープ・ダイアグラムによる表現は,軌跡データの量が増えれば増えるほど分析の精度が上がり,その結果,人の行動傾向の分析に有効であることを示した、 さらに,生活環境内における行為シーケンスの観察・記録として、2つの調査実験を行った。 (Dレイアウトが異なる同じ大学の2つの研究執務室においてワーカーの座席選択行動の時間経過による変化について実態を明らかにするため観察調査を行った。両室2011年7月~11月までの(夏季休業による在籍率が著しく低い8月を除いた)4ヶ月間、隔週平日の9時~24時までの1日15時間、魚眼レンズを搭載したネットワークカメラを天井に設置し、それを作動させるPCを各執務室に置き動画撮影と分析を行った。 (2)グループワークとテーブルの即時制作実験を行い、被験者の行動及び作業天板の変化について天井にモニタリングカメラを設置し動画を用いて、机の形状、面積、全周とコミュニケーション領域(被験者5人の頭頂部を結んだ五角形の囲む領域と定義)の計測分析を行った。 そして,生活環境のコンフリクト解消のためのパターン、特に、コンフリクト解消のための設計アイデアを表現する手法に、ついて、因果ループ図を用いて最適行為シーケンスと実際のシーケンスの差異を表現することを検討した。同手法を人工物のライフサイクル設計問題に適用し、これを用いたパターンのデータベース化と、これを用いた設計支援手法の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は,本年度までに行為シーケンスのパタン・ランゲージの導出を行う予定であったが,得られたデータの傾向を捉える上での分析方法の実装に時間がかかっている.現在は,その実装も終り,パタンの分析に着手している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,パタンの導出の後,行為シーケンスのパタン・ランゲージの導出を目指す.データはそろっているため,パタンの定量的な導出方法を確立させ,今年度中に生活環境内のコンフリクトの特定とその解消方法の提案を行えるものと考えている。
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Research Products
(5 results)