2011 Fiscal Year Annual Research Report
高精細3次元都市モデリングのための点群-ベクトル変換システムの開発
Project/Area Number |
22560616
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
本間 里見 熊本大学, 大学教育機能開発総合研究センター, 准教授 (60284741)
|
Keywords | 三次元レーザースキャン / 点群データ / クラスター分析 / CAD / 写真測量 / 建築オブジェク / 産業遺産 / モデリング |
Research Abstract |
本研究は、歴史的建築物を対象として、地上設置型のレーザースキャナーによる測量によって得られる点群データからベクトルデータに効率よく変換する手法を提案することを目的としている。特に、点群データの属性によりクラスター分析を行うことで、素材・部位単位に点群データを分類し、その点群データを基にモデリングすることで、建築オブジェクトとしてCADデータに変換する手法を開発する。22年度までに、色情報(R,G,Bの値)と反射強度(Iの値)の4属性値によるクラススター会析により特異な色系統を属性にもつ点群データを分離し、建築物の扉や窓といった部位を抽出することができた。しかしながら、この手法では、同一素材で建築部位の異なる部分(例として、煉瓦造における壁と柱形の区別)の点群データは分離できなかった。また、地上からスキャンしているため、屋根上部等の死角部分のデータがないという問題があった。23年度は、色情報と反射強度に加え、ファサードの奥行の値(yの値)でクラスター分析を実施した。その結果、同一素材でも表面の凹凸によって、建築部位を区別することができ、対象とした煉瓦造の建築物を1.柱形と胴蛇腹、2.壁とペディメント、3.梁形と軒蛇腹、4.柱と軒蛇腹、5.補強用鉄板と窓台、6.扉、7.ガラス、8.サッシ、9.付帯設備の9種類の建築部材を独立して抽出することができた。また、バルーンを使って対象建築物の上空から写真撮影を実施し、写真測量による屋根部分のCADモデリングを行い、点群データによるCADモデルと統合した。その結果、スキャナーの死角で計測できなかった部分を補完するCADモデルを作成することができた。24年度は、点群データからCADデータ及び図面への効率的変換手法の高度化に取り組む。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、三次元レーザースキャナーにより測量された点群データの処理と点群データからCADデータへ効率よくモデリングする、2つの行程により点群-ベクトル変換システムを開発しようとするもので、23年度までにこの工程における手法は提案できた。最終年に手法のシステム化と評価を行う予定であり研究はおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに検討し、提案した手法のシステム化と高度化が必要である。24年度は、汎用三次元CADソフトに提案した機能のモジュールを組み込み、点群-ベクトル変換システムを開発する。
|