2010 Fiscal Year Annual Research Report
トスカーナの歴史的海洋小都市と後背地域の形成に関する研究
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22560637
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
野口 昌夫 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (90218305)
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Keywords | 建築史・意匠 / イタリア都市形成史 |
Research Abstract |
本年度は平成22年6月26日から7月2日までロンドンの王立英国建築家協会(RIBA)の図書館にて、イタリア海洋都市と後背地の歴史的形成に関する英文文献リストを作成し、複写で収集した。次に平成23年3月15日から28日まで、フィレンツェ大学建築学部都市地域学科図書館にて同様の作業を行った。また稀覯本等はフィレンツェの古書店をまわり購入した。また史料はフィレンツェ国立古文書館に通い、特に文書、議事録、古図、19世紀初頭の課税用不動産登記台帳、地籍図を調査した。ピサ国立文書館にても同様の作業を行った。 以上は海洋都市としての重要性が増大した16-17世紀に、トスカーナ大公国、マッサ侯国、ルッカ共和国、ピオンビーノ公国の領土であったティレニア海沿いの小都市を対象に行った。海上の物流(大理石、鉄鉱石、小麦など)のルートと港を拠点とする海洋小都市の役割、それにともなう内陸の後背地への物の流れ方が、都市と地域の形成にどのような影響を与えてきたかを検証するための指標をいくつか設定することができた。当初予定していた実地調査と各都市の基本文献収集は来年度以降に行うこととし、今年度は史料、文献の収集を継続的に行った。それによって来年度からの実地調査の対象地域と対象都市が変更される可能性がでてきたことも事実であるが、文献調査によってのみ想定できる対象都市の選定も重要であると考えている。
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Research Products
(1 results)