2012 Fiscal Year Annual Research Report
クラスレート半導体におけるゲスト・ホスト相互作用と熱電物性の制御に関する研究
Project/Area Number |
22560708
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
阿武 宏明 山口東京理科大学, 工学部, 准教授 (60279106)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 熱電変換 / 省エネルギー / 廃熱利用 / 半導体物性 / 電気・電子材料 / クラスレート / フォノン / ラットリング |
Research Abstract |
本研究で見出したゲスト置換Ba8-xEuxGa16Si30系におけるフォノン散乱機構をさらに詳細に調べるために、H23年度までに実施したBa8Ga16Si30系およびBa8Al16Si30系に加えて、比較試料となるpnタイプおよびキャリア濃度を幅広く変化させることが可能なBa8Ga16Ge30系の合成を行い、これらの結晶学的特性および熱電特性のキャリア濃度依存性の詳細を明らかにした。 Ba8-xEuxGa16Si30系においては、Euゲストは優先的に2aサイトを占有すること、Eu原子の固有振動数が低下し原子変位パラメータが増加すること、電子有効質量がEu置換により増加することを本研究で明らかにしている。よって、2aサイトのEuゲストとホストとの相互作用が強いと考えられる。これらの特性が格子熱伝導率減少の主因であるのかどうか、電子・フォノン相互作用の影響はどの程度あるのかを解明するために、Ba8-xEuxGa16Si30系とキャリア濃度を制御したBa8Ga16Ge30系における熱伝導率の温度依存性を測定し、種々のフォノン散乱項を取り入れたモデルを基に熱伝導率の解析を行った。散乱項に含まれるいくつかの重要なパラメータは、結晶構造の解析、音速測定、キャリア輸送特性の解析などから実験的に求めたものを使用した。この解析から、Ba8Ga16Ge30系における格子熱伝導率の低下は主にラットリング(共鳴)散乱によるものであるが、それに比べると寄与は小さいものの低温領域において電子・フォノン散乱の効果もあることが示唆された。ゲスト置換Ba8-xEuxGa16Si30系においても同様に、2aサイトのEuゲストのラットリング(共鳴)散乱がBaゲストよりも増強されて格子熱伝導率を減少させる主な効果をもたらし、電子・フォノン相互作用による散乱の寄与はそれよりは小さいと推論される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)