2011 Fiscal Year Annual Research Report
アフィニティ膜濾過による遺伝子治療用プラスミドDNA精製プロセスの開発
Project/Area Number |
22560746
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片桐 誠之 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (00345919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入谷 英司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60144119)
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Keywords | プラスミドDNA / アフィニティ / 膜濾過 / リガンド / 吸着 / 脱着 / 精製 / 透過 |
Research Abstract |
本研究では、スケールアップが可能なプラスミドDNAの精製および濃縮法として膜濾過法に着目し、プラスミドDNAと親和性のあるリガンドを探索するとともに、リガンドと分離膜とを用いるアフィニティ膜濾過法を確立し、プラスミドDNAの精製プロセスを開発することを目的とする。本年度は、超音波処理による菌体破砕法の導入、アフィニティ膜濾過条件の確立を行った。超音波処理の導入により、従来法と比較して薬品使用量を大幅に低減できることを明らかにした。プラスミドDNAの吸・脱着試験から、pH8付近に等電点があり、pH7以下では正、pH9以上では負に帯電する酸化鉄をリガンドとして選定した。プラスミドDNAは、ポリアニオンであるため、試料液のpH変化による吸・脱着が可能となった。吸着挙動はLangmuir式で近似され、pHが小さい程、より多くのプラスミドDNAを吸着できることが明らかとなった。また、吸着後にpHを10程度に変化させることで、リガンドに吸着したプラスミドDNAの大部分が脱着されることがわかった。膜濾過実験の結果、プラスミドDNAは精密濾過膜を透過するが、リガンドの酸化鉄は精密濾過膜で阻止できたことから、プラスミドDNAの劣化が生じないpH5の条件でリガンドに吸着させて濾過を行い、その後pH9および10のbufferを透過させて、吸着したプラスミドDNAを脱着させる精製プロセスを確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標である、超音波処理による菌体破砕法の導入、アフィニティ膜濾過条件の確立を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って順調に成果が得られているので、当初の計画通りに進め、プラスミドDNA精製プロセスの構築を行う。
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Research Products
(10 results)