2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス資源を利用したレアメタルの高度分離回収プロセスの創成
Project/Area Number |
22560748
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保田 富生子 九州大学, 工学研究院, 助教 (60294899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 雅宏 九州大学, 工学研究院, 教授 (10211921)
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Keywords | レアメタル / リサイクル / 分離回収 / 吸着 / バイオマス / 分子認識 / タンパク質 / 廃棄物 |
Research Abstract |
本研究は、レアメタルのリサイクルに応用するために、バイオマス資源を用いた吸着によるレアメタルの分離回収法の開発を行うことを目的とする。レアメタルの中でも、貴金属は携帯電話、自動車触媒に使われ、廃棄物中の含有率は比較的高い。これら貴金属を対象として、いくつかのバイオマスの中からタンパク質性のバイオマス(卵殻膜、羽毛)を選択し、その吸着挙動を検討した。その結果、これらは水溶液中のAu、Pd、Ptイオンに対し、高い吸着能力を示し、特にAuとPdは本実験条件下、卵殻膜によりほぼ定量的に回収された。さらに、同条件でZn、Cu等の一般金属は全く吸着されず、これにより貴金属のみを選択的に分離回収できることがわかった。そこで、Auに対し詳細にその吸着メカニズムを調べた。その結果、吸着にはAuイオンとバイオマス中の官能基との錯体形成が関わり、その吸着挙動は水溶液中のAuイオン種に影響されることが示唆された。錯形成が可能と考えられるペプチドおよびタンパク質とAuイオンとの相互作用を、卵殻膜との場合と、分光学的に比較し、卵殻膜のタンパク質中のペプチドが、吸着に寄与していることが明らかとなった。Auに対する卵殻膜の飽和吸着量は、羽毛に比べて高く、これはタンパク質の含有量や素材の表面形状の違いによると考えられた。Au濃度が高い溶液では金属の析出が明らかで、これらバイオマスの高い吸着能力が吸着のみならず還元により得られることがわかった。以上、バイオマス選択の指針が得られた。
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