2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁気島効果を含む圧力上昇時のトロイダルプラズマの巨視的構造変化の研究
Project/Area Number |
22560822
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
市口 勝治 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (90211739)
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Keywords | 核融合プラズマ / 電磁流体力学 / 圧力駆動型モード / ヘリオトロン / 非線型シミュレーション / 自己組織化 / 簡約化方程式 |
Research Abstract |
平成23年度では、直線ヘリオトロン配位において、磁気島を含む平衡における交換型モードの振る舞いについて簡約化1MHD方程式を用いて研究を行った。そのためにまず、磁気島と矛盾のない平衡解を計算する手法を確立し、数値計算コードを開発した。この手法では、平衡解を2段階に分けて計算する。第一段階では、固定された磁場に対して、磁力線方向に一定であるような圧力分布を求める。第二段階では、第一段階で求められだ圧力分布を固定して、力の均衡を満たす磁場を求める。第二段階で求められた磁場を用いて第一段階での圧力を求める。このようにして、磁気島幅が収束するまで、この2段階を繰り返す。この計算手法を直線ヘリオトロン配位に適用した結果、磁気島のX点において圧力勾配がゼロとなる平衡と有限である平衡が存在することがわかった。セパラトリクスにおいて圧力勾配が連続である場合には前者の平衡が、また、セパラトリクスにおいて圧力勾配の不連続性が許される場合には、後者の平衡が存在する。このようにして求まった磁気島を含む平衡に対する交換型モードの振る舞いを調べた。前者の平衡では、共鳴面近傍においてほぼ一様に圧力分布が平坦化されており、このような圧力分布は交換型モードに対して安定化の寄与を持つことが既に知られている。そこで、X点で有限の圧力勾配を持つ後者の平衡について線型及び非線型解析を行った。磁気島幅に対する線型安定性を調べだところ、磁気島幅を増加させるにつれて、成長率は減少し、ある閾値を超えると完全に安定化されることが得られた。この閾値は、磁気島がない平衡における不安定モードの流れ関数の半値幅とほぼ同程度である。また、この線型不安定領域での、交換型モードの非線型発展も追跡した。その結果、運動エネルギーの非線型飽和レベルが、磁気島幅の増加とともに減少していくことも得られている.また、非線型飽和領域では、磁気島幅も変化を受け、交換型モードと同位相の場合には増加し、反位相の場合には減少することが得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁気島による構造変化の解析において、平衡解並びに交換型モードの振舞いが系統的に理解できるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、ポロイダル方向の一様流れ脅取り込んだ解析が必要である。これによって、磁気島及び交換型モードの振舞いが変化することが考えられる。まずは、外部からプラズマ回転の効果を導入し、回転速度に対する依存性を調べたいと考えている。また、これまでに開発を行ってきたマルチスケールシミュレーション手法を応用し、背景磁場のゆっくりとした時間変化が非常に速い時間スケールの交換型モードの振舞いに対する影響を検討する。さらに、トロイダル効果も導入し、プラズマ形状に対する依存性も調べる予定である。
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Research Products
(15 results)