2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期G2/M期制御を通じたエンドリプリケーション開始機構
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22570040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 正樹 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (10242851)
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Keywords | 細胞周期 / 核内倍加 / シロイヌナズナ / 植物 / シロイヌナズナ / 細胞増殖 |
Research Abstract |
M期をスキップしてDNA複製を繰り返す特殊な細胞周期としてエンドリプリケーションが知られている。 申請者はgig1変異体やSCL28過剰発現体では異所的なエンドリプリケーションが引き起こされることをすでに明らかにしておりこれら二つの遺伝子の働き・発現・分子機能および制御機構を明らかにすることを目的とした。平成22年度は以下のことを明らかにした。 ・ gig1変異体で生じる巨大な孔辺細胞様細胞は、エンドリプリケーションによる核内DNA量の倍加に加えて、染色体数も倍加していることが分かった。 ・ 以下の三つの証拠からGIG1遺伝子産物はAPC(後期促進複合体)の新奇抑制因子である可能性が考えられた。(1)gig1変異体の表現型は、APC活性化因子として知られるCDC20の過剰発現により促進され、(2)M期サイクリンの一つCYCB2;2の遺伝子破壊により促進された。(3)また、M期サイクリン(CYCB1;2)をYFP融合タンパク質として発現する形質転換体を使って調べたところ、GIG1の過剰発現により顕著に蓄積量が増加することが分かった。 ・ GIG1遺伝子は、細胞分裂の盛んな組織で発現する核局在タンパク質をコードしていることが分かった。 ・ SCL28をグルココルチコイド受容体(GR)との融合タンパク質として過剰発現させることにより条件的にエンドリプリケーションを引き起こす形質転換体を得ることができた。 ・ 上記の形質転換体において、誘導直後の遺伝子発現をマイクロアレイにより調べた結果、一群のDNA複製因子の発現が減少することが分かった。
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