2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物の器官形成における、細胞の位置認識と情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
22570042
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
武田 征士 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特任助教 (90508053)
|
Keywords | シロイヌナズナ / 花弁 / 器官境界部 / 転写因子 / RABBIT EARS / PETAL LOSS |
Research Abstract |
がく片や花弁等の花器官は、茎頂に対して決まった位置に作られる。花弁はがく片間の少し内側に作られることから、がく片間という位置情報が花弁原基の形成位置決定に関わることが予想される。器官形成位置を空間的に決める情報の実体と、その伝達機構を調べるため、がく片間で発現するPETAL LOSS(PTL)と、花弁原基で発現する、RABBIT EARS(RBE)の2つの遺伝子に注目し、以下の研究を行った。(a)PTLの発現と細胞内局在を調べるため、PTLと蛍光タンパク質GFPの融合タンパク質を、PTLプロモーターとターミネーターの制御下で発現する植物を作製した(PTLp:PTLg:GFP:PTLt)。PTL-GFPの発現はがく片間で認められ、細胞内では核に局在しており、またptl-1変異体背景においては、花弁欠損をレスキューした。PTLとRBEの発現領域を同時に比較するため、PTLp:PTLg:SECFP:PTLtを導入した植物を作製し、T1植物を得た。(b)LC/MSを用いたPTLの相互作用因子探索、ChIPによる直接転写ターゲット探索、及びマイクロアレイを用いた網羅的な下流因子探索のため、35S:PTL:GFP及び35S:PTL:GR植物を作製し、T1植物を得た。前者は、根でのPTL-GFP発現と核局在を確認した。(c)RBEの発現と細胞内局在を調べるため、RBEp:GFP:RBEg:RBEt植物を作製した。野生型背景のT1では、かなり弱いながらも花弁原基領域での発現が確認できた。(d)LC/MSを用いたRBEの相互作用因子探索のため、35S:GFP:RBE植物の作製を開始した。(e)rbe-1のサプレッサースクリーニングを行い、サプレッサー候補2ラインを得た。また、rbe-1と独立と思われるが、葉の葉脈は緑色で葉身の色が薄くなる変異体を見つけた。
|