2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハエの羽化リズムを調節する概日時計出力機構の神経・内分泌学的研究
Project/Area Number |
22570076
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
泰山 浩司 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (60148690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 向子 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90254383)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 概日時計 / 羽化リズム / キイロショウジョウバエ / シリアカニクバエ / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
今年度は,1.羽化時計候補ニューロンと羽化を誘起するホルモンカスケードの接点の検索と,2.シリアカニクバエの羽化リズムの解析を行い,以下の結果を得た。 1.ショウジョウバエの羽化時計候補ニューロンPDF-Triと,羽化ホルモン産生ニューロン(EHニューロン)またはコラゾニン産生ニューロン(Crzニューロン)を二重標識し,投射域の重なりを調べた。EHニューロンは前大脳の背側前方中央域に一対あり,神経繊維は脳間部,食道孔側壁,食道下神経節(SOG) 背側中央域に分布する。PDF-Triの神経繊維もこれらの三領域に分布し,両者の神経繊維が近接して観察されシナプス連絡が示唆された。Crzニューロンは脳側方部に脳半球あたり6~8個あり,これらの神経繊維もSOGに投射する。SOG正中部でPDF-Tri神経繊維がCrzニューロンの投射繊維を密に取りまく。三次元画像解析から,PDF-TriとCrzニューロンはSOGでシナプス連絡していると考えられた。 2.恒明,28℃で数世代飼育したシリアカニクバエでは羽化リズムは見られないが,同条件で飼育した個体の蛹期にTCサイクル(T:28℃, C:22℃,12時間:12時間)を2回与えると羽化リズムが見られるようになり,羽化2日前でもTCサイクルに同調した。低温刺激(4℃・1時間)を与えると、刺激を与えた概日時刻に依存して羽化リズムの位相シフトが見られ,位相反応曲線はタイプ1であった。低温刺激は羽化6時間前まで位相変位を引き起こすのに有効であった。エクジステロイドを様々な時期の蛹に投与したところ,羽化20時間前,16時間前の投与は羽化リズムに位相の遅れを引き起こした。これより,羽化20~16時間前までに起こるエクジステロイド量の低下と羽化6時間前から羽化までに出る時刻情報が駆動するそれぞれのホルモンカスケードが,ゲートの決定に関わると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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