2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570091
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古屋 秀隆 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20314354)
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Keywords | ニハイチュウ / 中生動物 / 分類 / 進化 / 細胞分化 / 寄生による特殊化 |
Research Abstract |
1 分類 北極海産Benthoctopus sibiricusおよびメキシコ・バハカリフォルニア産Octpus hubbsorumから、それぞれ1種の新種のニハイチュウを記載した。 2 細胞の分化 ニハイチュウの体を構成する細胞数は少なく、多い種で40個ほどである。それら細胞の形態からは、内側の軸細胞と生殖系細胞、および外表面の表皮細胞の分化しかみられない。そこで、ニハイチュウの細胞分化の程度をいろいろな遺伝子の発現パターンより調べた。解析した遺伝子は、ESTプロジェクトで得た16遺伝子(aquaglyceroporin, F-actincapping protein, aspartate aminotransferase, cathepsin-L-like cysteine peptidase, Ets domain-containing protein, glucose transporter, glucose-6-phosphate 1-dehydrogenase, glycine transporter, Hsp 70, Hsp 90, isocitrate dehydrogenase (NAD) subunit alpha, Rad18, serine hydroxymethyltransferase, succinate-CoA ligase, valosin-containing protein, 14-3-3 protein)を利用した。その結果、成体では体の前頭部と胴部で遺伝子の発現パターンが異なること、幼生では内部と外表部とで発現パターンが異なることがわかった。一見同じようにみえる細胞であっても、体の前後および内外の細胞では、それぞれの場所で細胞め機能が異なることが示唆された。このことから、少数の細胞からなるニハイチュウであるが、それら細胞には細胞分化が起きていることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)