2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570091
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古屋 秀隆 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20314354)
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Keywords | ニハイチュウ / 中生動物 / 分類 / 頭足類 |
Research Abstract |
日本沿岸産のクモダコOctopus longispadiceusから6種の未記載種のニハイチュウを、ウスベニコウlorigeraから1種の未記載種のニハイチュウを発見した。 クモダコから発見されたニハイチュウは、うち4種がDicyemennea属で2種がDicyema属のニハイチュウであった。Dicyemennea sp.1は2ミリほどの中型の種で、体を構成する体皮細胞の数は19、体の前部が枝分かれし不定形となる。滴虫型幼生の細胞数は39。Dicyemennea sp.2は5ミリを越える大型種で、体皮細胞の数は32-38で、体の前部は扁平で円盤のような形を呈す。滴虫型幼生の細胞数は37。Dicyemennea sp.3は5ミリにいたる大型の種で、体皮細胞の数は34-37、体の前部は円い。滴虫型幼生の細胞数は39。Dicyemennea sp.4は1ミリほどの小型の種で、体皮細胞の数は23、体の前部は円い。Dicyema sp.1は2ミリほどの中型の種で、体を構成する体皮細胞の数は22、体の前部は円いドーム状を呈す。滴虫型幼生の細胞数は37。Dicyema sp.2は2ミリほどの中型の種で、体を構成する体皮細胞の数は15-17、体の前部は円いドーム状を呈す。滴虫型幼生の細胞数は37。クモダコでは、これら6種のニハイチュウが同時に発見されることはなく、通常2-3種のニハイチュウが発見される。なかでもDicyemennea sp.1とDicyema sp.1の2種は優先的であった。 ウスベニコウイカから発見されたニハイチュウは、Dicyemennea属に属し、体長2ミリほどの中型のニハイチュウである。体を構成する体皮細胞の数は28-36で、体の前部は円錐状で前端は円い。このウスベニコウイカの腎嚢には、ニハイチュウの他にクロミディナ(繊毛虫)がみられ、たびたび両者が同時に発見された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子系統解析によって、ニハイチュウと頭足類との共進化の実像はみえてきた。しかし、系統解析に用いたニハイチュウの種の記載が進まず、論文としてまとめることができないでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
系統解析に用いたニハイチュウの種を優先して記載を進める。
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Research Products
(4 results)