2012 Fiscal Year Annual Research Report
島嶼平衡モデルに基づく中琉球産爬虫両生類の洋上分散能力の推定
Project/Area Number |
22570094
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
戸田 守 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (40378534)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 琉球列島 / 爬虫類 / 両生類 / 分布 / 洋上分散 / 遺伝変異 |
Research Abstract |
沖縄諸島の藪地島、瀬長島、伊計島で追加調査を実施し、各島における爬虫両生類の分布の有無をとりまとめた。台風などの影響で、一部、調査が実施できなかった島嶼があるが、これまでの調査結果と文献の見直し作業によって中琉球の47島について各種の分布データを揃え、各島の面積と、分散ソースからの距離を説明変数、ある種の分布の有無を従属変数として、判別分析により2変数の寄与を評価した。その結果、中琉球における両生類の分布の有無はほぼ面積によって規定されることが示された。ただし、リュウキュウカジカガエルについては想定した分散モデルの片方で距離の効果も有意になり、洋上分散が分布に寄与している可能性も示された。一方、爬虫類では4種で距離の効果が有意に分布の有無に効いているという結果が得られたが、各種の生態学的な特性を考えた場合、その一部は洋上分散をしているとは考えにくかったことから、結果の解釈には注意が必要である。また、洋上分散が期待されたオキナワトカゲとミナミヤモリは、調査したほとんど全ての島に分布することから、意味のある判別関数そのものが得られなかった。 遺伝解析に関して、トカゲ属で開発したマイクロサテライト・マーカーをプライマー・ノートとして論文にまとめた。さらに、沖縄諸島のオキナワトカゲを対象にマイクロサテライト分析を行ったところ、沖縄島周辺の小島嶼の集団の多くは対岸の本島集団とアリルを共有することが判明した。この結果は、本種に洋上分散があった可能性に対して肯定的ではあるが、これらの地域が陸続きだった時代に共有していたことを反映している可能性も排除できなかった。一方、ヤモリ属についてmtDNAの配列変異解析を行ったところ、ミナミヤモリがアマミヤモリよりも島間の分散を頻繁に果たしてきたことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)