2010 Fiscal Year Annual Research Report
サバンナウッドランド地帯における霊長類の分布と生息状況
Project/Area Number |
22570223
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
小川 秀司 中京大学, 国際教養学部, 教授 (80293976)
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Keywords | サバンナウッドランド / 霊長類 / 分布 / 生息地 / アフリカ / チンパンジー / 環境 / 適応 |
Research Abstract |
初年度の平成22年度は7月中旬から9月中旬に東アフリカのタンザニア共和国西部のサバンナウッドランド地帯で現地調査を行った.調査地としたウガラ地域のングェには,昼行性霊長類の内チンパンジー,アヌビスヒヒ,アカオザル,ブルーモンキーが生息していることを確認した.同地域から約50km南には,キイロヒヒ,サバンナモンキー,アカコロブスも生息していることを確認した.調査地内にトランセクトラインを設けて植生調査と動物センサスを行った.同地域のサバンナウッドランド(乾燥疎開林)には,乾季に落葉する樹高約20mの樹木がまばらに生え,林床にはイネ科草本が生えていた.このサバンナウッドランドが面積の大半を占め,数%の面積割合で川辺林等の常緑林や草地が点在していた.樹木と草本の樹種構成は植物標本を同定に出して分析中である.アカオザルとブルーモンキーは常緑林内でのみ発見された.常緑林があるために,こうした森林性の霊長類の生息がサバンナウッドランド地帯でも可能になっていた.しかし予備的な密度推定によると,サバンナウッドランドにより適応したアヌビスヒヒの生息密度は他の霊長類よりもずっと高かった.動物センサスでは各種の中大型哺乳類の糞や足跡等の痕跡が記録された.初年度は現地調査を主に行ったために直接経費の90.2%を旅費に使用した.今後現地調査に衛星写真およびGISも組み合わせて,霊長類の分布と生息状況を各地域の動植物環境と照らし合わせて解析していく予定である.
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Research Products
(4 results)