2010 Fiscal Year Annual Research Report
都市公園における指定管理者制度導入の動向とアダプティブマネジメント手法の構築
Project/Area Number |
22580039
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
下村 泰彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (50179016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 昇 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00181652)
加我 宏之 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00326282)
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Keywords | 指定管理者 / マネジメント / 都市公園 |
Research Abstract |
平成22年度は、全国176件の都道府県営の広域公園について、指定管理者制度の導入の動向を探り、制度運用上の課題と可能性を探った。 今回調査した公園は50-100ha規模のものが73箇所と最も多く、それ以上が22箇所、以下が81箇所である。指定管理者の導入時期を見ると、1期目は平成18年が117箇所と最多で、2期目は平成21年が68箇所と最も多くなっている。公募状況を見ると、1期目では非公募によるものが15%程度存在したが、2期目になると5%程度となり、参画機会の公平性が進んでいるが、一方で、公園の性格や地域での位置づけなど、各々の公園に応じていずれの管理形態が相応しいのかの論議を経ずに、全国で一律化が進んでいるといった面も危惧される。選定団体の構成の変化を見ると、単独の団体で指定が約78%から55%へと低下しグループで受けるものが増加している。その中で、民間企業や市民団体等を含むものが15%から26%へと増加しており、行政の外郭団体単独による受託から「産」や「民」の参画が進みつつあるといえる。これは、「官」と「産や民」との役割分担や連携が進んだものと評価できるものの、一方で、前述と同様な一律化の課題も危惧される。管理期間を見ると1期目では3年が約85%と大部分を占めていたが2期目になると約50%に低下し、4年間が約10%、5年間が約34%と管理期間が長期化する傾向にある。これは、地域共有の社会資本として地域への波及効果が求められる点や樹林や樹木、草地からなる生物空間であり、こうした生物空間の育成管理が求められる点など、一定期間を見越した管理運営が不可欠であることから期間の長期化の傾向は一定評価できるのでないかと考える。 以上のように、全国規模での都市公園に関する指定管理者制度の導入の動向が明らかとなり、アダプティブマネジメントを探る上での、基礎的な知見が獲得できた。
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