2012 Fiscal Year Annual Research Report
街路樹標本木の30年成長解析による風の道計画への展開
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22580041
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
輿水 肇 明治大学, 農学部, 教授 (60012019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 佐智子 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (50409471)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 標本木 / 見本園 / 街路樹 / 成長曲線 |
Research Abstract |
国営武蔵丘陵森林公園の都市緑化植物園「街路樹見本園」の87種の標本木の樹高、幹周、枝張りの30年間にわたる計測を完了させ、これらの樹木データをもとに、無剪定を想定した成長曲線を作成した。樹高、幹周、枝張りの成長曲線から、樹種の違いによる成長量の特性を総合的に解析した。街路樹に多く用いられる緑化樹木の成長量を都市の暑熱環境を改善する効果とどのような関連性があるかを分析した。 この作業の成果をもとに、街路樹の都市気象改善効果を論考し、都市の景観形成の観点を加えた、街路樹整備および街路樹マネジメント計画への展開を検討した。 その結果、樹高、幹周、枝張りの各項目を成長指数と考えた時、樹高が指数として有効になるのは、常緑広葉樹と一部の常緑針葉樹であることが明らかになり、落葉広葉樹のもっとも街路樹として多用される樹種は、樹高は成長指数として適当でないことが判明した。理由は見本園のような限られた面積に短い間隔で植栽された場合、成長の早い落葉広葉樹は隣接木とのあいだで競合が起こり、それが樹高成長に影響することが示唆された。すなわち樹高成長が乱れ、いわゆるシグモイドカーブの成長曲線を呈する期間が短く、15年目以降は多くの落葉広葉樹では乱れ、不連続な傾向を示した。 幹周は、測定方法が巻尺(測量テープ)による直視と単純な方法であることが利点となり、安定した変化を示し、典型的な成長曲線を得ることができた。しかし植栽当初は若木で幹断面が円形であったものが、10年以降にはしだいに歪み、楕円形あるいは褶曲した円形になるものが多く、幹表面の延長線という幹周の概念を把握できないような様相を呈した。この傾向も樹種によって異なり、比較的成長のの中位な落葉広葉樹でこのような傾向を示した。成長の遅い、常緑広葉樹や逆に成長の著しくはやい落葉広葉樹では円形の断面を保ち、幹肥大の経年変化を正確に追跡することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)