2010 Fiscal Year Annual Research Report
もやし残渣を活用したダイズシストセンチュウ防除法の開発
Project/Area Number |
22580066
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
豊田 剛己 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (30262893)
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Keywords | 有機性廃棄物 / 食品廃棄物 / 孵化 / シスト / リアルタイムPCR / eDNA / Heterodera glycines / 定量PCR |
Research Abstract |
東京都内のエダマメ栽培圃場において、ダイズシストセンチュウによる被害が広がりつつある。多くの消費者が減農薬を要望するため、薬剤に頼らない防除法の確立が求められている。一方、食品製造廃棄物の有効利用も重要な課題となっている。"もやし"生産過程で生じる廃棄物が未利用となっていることから、この資源を用いてセンチュウ被害を効果的に防除する方法を確立することが、本研究の目的である。室内試験において、もやし残渣およびもやし残渣の水抽出液をダイズシストセンチュウ(SCN)汚染土壌に添加し培養したところ、1週間後にはシストの孵化促進が確認され多数の二期幼虫が観察された。この増加した二期幼虫は培養2ヶ月後にはほとんど見られなくなったことから、宿主不在下で飢餓により死滅したと推察された。そこで、土壌からDNAを抽出しリアルタイムPCRによりSCN密度を求めたところ、無添加の対照区と比べ約1/10に低下していることがわかった。つまり、もやし廃棄物を土壌に施用することで、SCN密度を低下させ、被害を軽減できる可能性が明らかとなった。ついで、もやし残渣および残渣抽出液を実際のSCN汚染圃場に施用したところ、7月~9月に施用した際には表層土壌のSCN密度を1/4に低下させたことがわかった。しかし、下層土壌への密度低減効果は表層ほど顕著ではなかった。また、10月以降の施用では有意な密度低減効果は認められず、シストの孵化を促進するには土壌温度が重要な要因であると推察された。次年度以降、施用時期、施用方法を再検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)